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ペイントツールとペイントストローク
ブラシツール 、コピースタンプツール 、消しゴムツール はすべてペイントツールです。これらのツールはレイヤーパネルにあり、レイヤーにペイントストロークを適用するために使用します。各ペイントツールでは、ソースを変更せずにレイヤーの領域の透明度を修正したりするブラシマークが適用されます。
各ペイントストロークには、独自のデュレーションバー、ストロークプロパティ、トランスフォームプロパティがあり、タイムラインパネルで表示・変更ができます。初期設定では、ペイントストロークを作成したツールの名前と描画の作成順を示す番号がストロークに付けられます。
ペイントストロークを作成した後で、レイヤーのプロパティとデュレーションを変更するのと同じ方法で、いつでも各プロパティを修正してアニメートすることができます。ペイントストロークのパスプロパティをコピーして、マスクパス、シェイプレイヤーのパス、モーションのパスに追加したりパスから削除したりできます。エクスプレッションを使用してプロパティをリンクさせると、さらに強力で柔軟な制御が得られます(シェイプとマスクの作成およびエクスプレッションを追加、編集、削除するを参照)。
ペイントストロークを適用する前に設定を行う場合は、ペイントパネルとブラシパネルを使用します。適用後にペイントストロークのプロパティを変更したりアニメートしたりするには、タイムラインパネルでプロパティを操作します。
初期設定では、ブラシマークは互いに結合した 1 本の線のように見えますが、実際は、ペイントストロークに沿って一つ一つ配置されています。ブラシパネルの各ブラシの設定により、ブラシマークの形状、間隔などのプロパティが決まります。ストロークのプロパティは、タイムラインパネルでストロークごとに変更することもできます。
After Effects では、ペイントストロークはベクトルオブジェクトであるため、画質を低下させずに拡大できます。Photoshop などの一部のアプリケーションでは、ペイントストロークはラスターオブジェクトです(ベクトルグラフィックとラスター画像についてを参照)。
タイムラインパネルでは、ストロークグループは「ペイント」エフェクトのインスタンスとして表示されます。「ペイント」エフェクトの各インスタンスでは、「透明上にペイント」オプションを選択できます。このオプションを選択すると、レイヤーのソースイメージ、およびエフェクトの重なり順でその「ペイント」エフェクトより前にあるすべてのエフェクトが無視され、ペイントストロークが透明レイヤー上に適用されます。
ペイント、描画、コピー、修正などの作業によっては、Adobe Photoshop の高度なペイントツールを活用することをお勧めします。(Photoshop と After Effects の使用を参照)。
ロトブラシツールとペイントツールは機能的に共通する点があるため、ロトブラシストロークは多くの点でペイントストロークと同じように操作できます。ロトブラシツールとロトブラシストロークについては、ロトブラシストローク、スパンおよびベースフレームを参照してください。
ペイントツールとストロークの一般的な操作
- タイムラインパネルで選択したレイヤーのペイントストロークを表示するには、P キーを 2 回押します。
- レイヤーパネルでペイントストロークを選択するには、選択ツールを使い、1 つのストロークをクリックするか、複数のストロークを囲むようにドラッグしてボックスを作成します。
選択ツールを一時的にアクティブにするには、V キーを押したままにします。
- タイムラインパネルで選択したペイントストロークだけを表示するには、ストロークを選択して S キーを 2 回押します。
- ペイントストロークの名前を変更するには、タイムラインパネルでペイントストロークを選択して Enter キー(Windows)または Return キー(Mac OS)を押すか、名前を右クリック(Windows)または Control キーを押しながらクリック(Mac OS)して「名前を変更」を選択します。
- 「ペイント」エフェクトのインスタンス内でペイントストロークを並べ替えるには、タイムラインパネルでストロークをドラッグして新しい並び順に移動します。
- 「ペイント」エフェクトのインスタンスの順番を並べ替えるには、タイムラインパネルでエフェクトをドラッグして新しい並び順に移動します。
- 「ペイント」エフェクトの特定のインスタンスを新しいストロークに追加する対象とするには、レイヤーパネルの下部にある表示メニューから選択します。
- ストロークをビューおよびレンダリング結果で非表示にするには、ストロークのビデオスイッチ の選択を解除します。
- ペイントツールが選択されたときにペイントパネルおよびブラシパネルをすばやく表示するには、ペイントパネルとブラシパネルを表示/非表示ボタン をクリックします。
ペイントパネルの一般的なペイントツール設定
ペイントパネルを使用するには、ツールパネルでペイントツールを選択します。
不透明度
ブラシストロークまたはコピーストロークでは、ペイントが適用される最大量を示します。消しゴムストロークでは、ペイントやレイヤーカラーが除去される最大量を示します。
流量
ブラシストロークまたはコピーストロークではペイントが適用される速度、消しゴムストロークではペイントとレイヤーカラーが除去される速度を指定します。
モード
ブラシストロークまたはコピーストロークでペイントするピクセルが、元のイメージのピクセルにどのようにブレンドされるかを指定します(描画モードの使用方法を参照)。
チャンネル
ブラシストロークまたはコピーストロークが影響するレイヤーのチャンネル。「アルファ」を選択すると、ストロークは不透明度にだけ反映され、カラーサンプルはグレースケールになります。アルファチャンネルを純粋な黒でペイントすると、消しゴムツールを使った場合と同じ結果が得られます。
デュレーション
ペイントストロークのデュレーション。「一定」を選択すると、ストロークは現在のフレームからレイヤーのデュレーションの終了時まで適用されます。また、「1 フレーム」を選択すると、現在のフレームだけに、「カスタム」を選択すると、現在のフレームを起点として指定した数のフレームに適用されます。「連続」を指定すると、ストロークは現在のフレームからレイヤーのデュレーションの終了時まで適用され、ストロークが描画されたモーションに一致するようにストロークの「終了」プロパティがアニメートされます。
ペイントツールがアクティブになっている場合、メインキーボードの 1 または 2 を押して、ペイントパネルのデュレーション設定に指定されているフレーム数だけ、現在の時間インジケーターを前後に移動できます。
ブラシツールとブラシパネルツール
ブラシパネルを使用するには、ツールパネルでペイントツールを選択します。
ブラシギャラリーの表示モードを選択する
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ブラシパネルのメニュー(テキストのみ、サムネール(小)、サムネール(大)、リスト(小)、リスト(大))から表示モードを選択します。
プリセットブラシを作成、管理する
- 新しいプリセットブラシを作成するには、ブラシパネルで設定を指定し、ブラシパネルのメニューから「新規ブラシ」を選択するか、現在の設定で新規ブラシを作成ボタン をクリックします。
- プリセットブラシの名前を変更するには、パネルメニューの「ブラシの名前を変更」を選択します。
- プリセットブラシを削除するには、パネルメニューの「ブラシを削除」を選択するか、ブラシを削除ボタン クリックします。
- 初期設定のプリセットブラシに戻すには、ブラシパネルメニューの「ブラシチップをリセット」を選択します。作成したカスタムブラシを保存するには、現在のブラシを初期設定ブラシで置き換えるかどうかを尋ねるダイアログボックスが表示されたら、「追加」をクリックします。
プリセットブラシは環境設定ファイルに保存されるので、別のプロジェクトでもそのまま使用できます。
ブラシのプロパティ
レイヤーパネルでブラシの直径を調整するには、Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押しながらドラッグします。硬さを調整するには、キーを離してドラッグします。
直径
ブラシのサイズを指定します。
角度
楕円ブラシの長軸が水平線から回転する角度。
注意:ブラシの角度は、正と負の両方の値で表現できます。例えば、+45°のブラシは、-135°のブラシと同じです。
丸み
ブラシの短軸と長軸の長さの比率。100%は円形ブラシを示し、0%は線形ブラシを示します。その中間値は楕円形ブラシを示します。
硬さ
ブラシの 100%不透明の中心から 100%透明のエッジにかけてのぼかしを制御します。硬さの値を高く設定しても、完全に不透明なのは中心のみです。
間隔
ストローク内のブラシマーク間の距離で、ブラシの直径に対するパーセントで示されます。このオプションを選択していない場合は、ドラッグしてストロークを作成するスピードによってペイントの間隔が決まります。
ブラシダイナミックス
Wacom 製タブレットなど、筆圧感知型のデジタイズタブレットの機能を使用して、ブラシマークをコントロールすることができます。ペンタブレット機能を使用してブラシマークを制御するには、「サイズ」から「オフ」、「筆圧」、「ペンの傾き」または「スタイラスホイール」を選択し、「角度」、「真円率」、「不透明度」および「流量」を設定します。例えば、「サイズ」を「筆圧」に設定すると、ストロークの作成中にペンにかける力によって、ブラシマークの幅が変化します。「サイズ」が「オフ」でない場合は、「最小サイズ」でブラシマークの最も細いサイズを設定します。
ブラシツールを使用してペイントする
レイヤーパネル内のレイヤー上に現在の描画色でペイントするには、ブラシツールを使用します。
ペイントストロークを適用する前に設定を行う場合は、ペイントパネルとブラシパネルを使用します。適用後にペイントストロークのプロパティを変更したりアニメートしたりするには、タイムラインパネルでプロパティを操作します。
ブラシツールのカラーを選択する
ブラシツールをアクティブにして、次のいずれかの操作を行います。
- カラーピッカーで描画色を選択するには、ペイントパネルの描画色を設定ボタン をクリックします。
- スポイトを使用して画面上から描画色を選択するには、ペイントパネルのスポイト をクリックして、ポインターの下の色を抽出します。このとき Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押しながらクリックすると、3 x 3 ピクセルの正方形のカラーの平均値が抽出されます。
ポインターがレイヤー上にあるときに Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押すと、レイヤーパネル内でスポイトをすばやくアクティブにすることができます。
- 描画色と背景色を入れ替えるには、X キーを押すか、描画色と背景色を入れ替えボタン をクリックします。
- 描画色を黒に、背景色を白にリセットするには、D キーを押します。
ブラシストロークを作成した後に色を変更したりアニメートしたりするには、タイムラインパネルで、ストロークオプションのカラープロパティを使用します。
ブラシツールを使用してペイントする
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ブラシツール を選択します。
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ペイントパネルとブラシパネルでブラシおよび他の設定を選択します。
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レイヤーパネル内でブラシツールをドラッグし、レイヤー上に描画を作成します。
マウスボタンを放すたびにストロークが停止し、ドラッグを再開すると新しいストロークが作成されます。前のストロークを再開するには、Shift キーを押しながらドラッグします。
ブラシツールを使用して個々のフレームでペイントする
一連のフレームを構成する個々のフレームにペイント操作を行うことで、アニメーションを作成したり、フッテージの不要なディテールを隠すことができます。
出力でインターレースを使用する場合は、各フレームでペイントする前にコンポジションのフレームレートを 2 倍にします(フレームレートを参照)。
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ブラシツールを選択します。
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ペイントパネルで、種類ポップアップメニューから「カスタム」を選択し、フレームのデュレーションを指定します。フレームごとにペイントするには、デュレーション値を 1 に設定します。必要に応じて、ペイントパネルとブラシパネルの他のオプションを設定します。
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レイヤーパネル内でブラシツールをドラッグし、レイヤー上に描画を作成します。
マウスボタンを放すたびにストロークが停止し、ドラッグを再開すると新しいストロークが作成されます。前のストロークを再開するには、Shift キーを押しながらドラッグします。
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カスタムデュレーション設定で指定したフレーム数を進めるには、キーボードの 2 キーを押し、前の手順を繰り返します。注意:
カスタムで設定したフレーム数を戻すには、キーボードの 1 キーを押します。
注意:ペンタブレットを使用している場合は、ペンのボタンにショートカットキーを割り当てると、作業を効率的に行うことができます。この手順について詳しくは、使用しているペンタブレットのマニュアルを参照してください。
コピースタンプツール
コピースタンプツールは、ある時点と場所のピクセル値を別の時点と場所にコピーするためのツールです。例えば、コピースタンプツールを使用して、快晴の空のピクセルをコピーして電線を消したり、ソースフッテージの牛のコピーを時間的にオフセットして牛を何十頭も作成することができます。
コピースタンプツールではソースレイヤーのピクセルをサンプリングして、ターゲットレイヤーに適用します。ターゲットレイヤーは、ソースレイヤーと同じでも、同じコンポジション内の別のレイヤーでもかまいません。ソースレイヤーとターゲットレイヤーが同じである場合、ソースレイヤーの元の画像だけでなく、ペイントストロークとエフェクトもサンプリングされます。
コピースタンプツールを使用する
他のペイントツールと同様に、コピースタンプツールはレイヤーパネルで使用します。
ソースレイヤーとターゲットレイヤーが異なる場合は、レイヤーを別々のビューアで開きます。Ctrl + Alt + Shift + N キー(Windows)または Command + Option + Shift + N キー(Mac OS)を押し、現在のフレームを分割してロックします。
コピーソースオーバーレイ(ソースレイヤーの半透明画像)を使用すると、ストロークを作成する前に、その効果を確認できます。
ペイントストロークを適用する前に設定を行う場合は、ペイントパネルとブラシパネルを使用します。適用後にペイントストロークのプロパティを変更したりアニメートしたりするには、タイムラインパネルでプロパティを操作します。
ペイントパネルで「調整」を選択しておくと、ターゲットレイヤーパネルでのコピースタンプツールの動きに合わせて、ストロークごとにサンプルの位置(コピー位置)が変わります。つまり、「調整」オプションを選択すると、サンプルした画像の 1 つのコピーをペイントするのに、何度もストロークを使用することができます。これに対して「調整」オプションの選択を解除すると、サンプルポイントは同じ場所から動きません。そのため、新規にコピーストロークを作成するたびに元のサンプルポイントからのピクセルをペイントすることになります。
例えば、1 頭の牛を 1 回の連続ストロークでコピーするのは困難です。このような場合には、「調整」を選択して複数のコピーストロークを使用してコピーします。1 輪の花をターゲットレイヤー上の何十か所にもコピーして花畑にするには、「調整」の選択を解除して 1 回のコピーにつき 1 つのコピーストロークを使用します。
単一のソースフレームをコピーするには、「ソースフレームの時間固定」を選択します(コンポジションタイムは「ソース時間」)。一方、後に続く複数のフレームをコピーするには、「ソースフレームの時間固定」の選択を解除します。このとき、コンポジションタイムは「ソース時間シフト」で、ソースとターゲットのフレームの時間がオフセットされます。現在のサンプルポイントがソースレイヤーのデュレーションの終了時を過ぎると、コピーソースの時間が自動的にサンプル開始ポイントにループバックします。このループは特に、ターゲットレイヤー内に修正すべきフレームが多数あるにもかかわらず、ソースレイヤーに正しいフレームが少数しかない場合に便利です。
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ソースレイヤーとターゲットレイヤーの両方を含むコンポジションを開きます。
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レイヤーパネルでソースレイヤーを開き、サンプリングを開始するフレームに現在の時間インジケーターを移動します。注意:
ペイントパネルの「オフセット」、「ソース時間シフト」、「ソース位置」、「ソース時間」の値を変更して、サンプリングを開始する時間と座標を手動でコントロールすることができます。リセット ボタンをクリックすると、これらの値が 0 にリセットされます。
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レイヤーパネルのソースレイヤー上で Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながらコピースタンプツールをクリックして、サンプルポイントを設定します。
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レイヤーパネルでターゲットレイヤーを開き、現在の時間インジケーターを、コピーストロークのペイントを開始するフレームに移動します。
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ターゲットレイヤー内をドラッグして、ソースレイヤーからコピーしたピクセルをペイントします。コピーストロークを適用する際にコピースタンプツールがサンプリングする対象を簡単に識別できるよう、サンプルポイントに十字のマークが表示されます。
マウスボタンを放すたびにストロークが停止し、ドラッグを再開すると新しいストロークが作成されます。前のストロークを再開するには、Shift キーを押しながらドラッグします。
注意:ペイントパネルの「コピーソースオーバーレイ」オプションの横にある差モードボタン をクリックするか、オーバーレイの不透明度を変更すると、コピーストロークの結果を簡単に表示することができます。コピーソースオーバーレイを一時的に表示するには、Alt + Shift キー(Windows)または Option + Shift キー(Mac OS)を押します。ソースレイヤーの位置を変更するには、Alt + Shift キー(Windows)または Option + Shift キー(Mac OS)を押しながらドラッグします。
タイムラインパネルでは、各コピーストロークにコピースタンプツール固有のプロパティが表示されます。これは、コピーストロークが作成される前にペイントパネルで行った設定に対応します。
コピーソース
サンプリングするレイヤー。
コピー位置
ソースレイヤー内のサンプルポイントの X、Y 位置。
コピー時間
ソースレイヤーをサンプリングするコンポジション時間。このプロパティが適用されるのは、「ソースフレームの時間固定」を選択した場合のみです。
コピー時間シフト
サンプリングしたフレームとターゲットフレーム間の時間オフセット。このプロパティが適用されるのは、「ソースフレームの時間固定」を選択していない場合のみです。
コピーストロークを作成した後に、タイムラインパネルでプロパティを変更したりアニメートしたりできます。例えば、1 羽の鳥が画面を横切るアニメーションをコピーするには、1 つのフレームで鳥をコピーし、鳥のモーションをトラッキングし、エクスプレッションを使用してコピー位置プロパティをトラッカーのアタッチポイントプロパティにリンクさせます。
他のペイントストロークと同様に、コピーストロークにも描画モードを設定できます。例えば、比較(暗)描画モードを使用して明るいカラーの傷を除去したり、比較(明)描画モードを使用して暗いカラーのしみや汚れを除去することができます。
コピープリセットを使用する
コピープリセットを使用すると、コピーソースの設定を保存・再使用できます。コピープリセットでは、ソースレイヤー、調整、ソースフレームの時間固定、ソース時間シフト、オフセット、ソース位置の値を環境設定ファイルに保存し、他のプロジェクトで再使用できます。コピープリセットを使用するには、まずコピースタンプツールを選択します。
- コピープリセットを選択するには、キーボードの 3、4、5、6、7 のいずれかを押すか、ペイントパネルのコピープリセットボタン をクリックします。
- コピープリセットを変更するには、プリセットを選択し、必要に応じてコピーオプションの設定を調整します。
- あるコピープリセットから別のプリセットに設定をコピーするには、コピー元のコピープリセットを選択し、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながら、設定をペーストするプリセットのコピープリセットボタンをクリックします。
消しゴムツール
消しゴムツールを「レイヤーソースとペイント」または「ペイントのみ」モードで使用すると、作成した消しゴムストロークの変更やアニメートができます。ただし「最後のストロークのみ」モードでは、最後に作成したペイントストロークが消去されるだけで、消しゴムツールは作成されません。
「最後のストロークのみ」モードで消しゴムツールを一時的に使用するには、Ctrl + Shift キー(Windows)または Command + Shift キー(Mac OS)を押しながらドラッグします。
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ツールパネルで消しゴムツールを選択します。
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ペイントパネルで設定を行います。
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ブラシパネルでブラシを選択し、ブラシオプションを設定します。
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レイヤーパネルで、消去する領域をドラッグします。
マウスボタンを放すたびにストロークが停止し、ドラッグを再開すると新しいストロークが作成されます。前のストロークを再開するには、Shift キーを押しながらドラッグします。
ペンタブレットを使用している場合は、ペンの消しゴム側でタブレットを使用すると、一時的に消しゴムツールがアクティブになります。
ペイントストロークをアニメートおよび編集する
キーフレームを設定したりプロパティにエクスプレッションを指定したりして、ペイントストロークをアニメートできます。キーフレーム間のすべてのフレームの値を補間することで、ペイントストロークのパスプロパティのようなプロパティでもアニメートすることができます。
ペイントストロークの「開始」と「終了」プロパティを変更してアニメートすると、ストロークがいつどのように表示されるかを制御できます。例えば、連続設定を使用して「終了」プロパティを 0%から 100%に自動的にアニメートすると、ペイントストロークが時間とともに自然に作成されるように見えます。
他のすべてのプロパティと同様に、エクスプレッションを使用してペイントストロークのプロパティを他のプロパティにリンクさせることができます。例えば、ペイントストロークをフッテージ内で動く要素に追従させることができます。そのためには、動く要素をトラッキングし、ペイントストロークの位置プロパティをトラッカーのアタッチポイントプロパティにリンクさせます。
このように、アイテムをトレースして個々のフレームでペイントまたは描画を作成する特殊な例をロトスコーピングと呼びます。多くの場合、ロトスコーピングは、ペイントストロークではなく、アニメートされたマスクを描画することを表します(ロトスコーピングの概要とリソースを参照)。
Scott Squires が、Effects Corner web サイトで、ペイントとマスクの両方でロトスコーピングを使用する方法を次の 2 つのムービーで公開しています。
連続オプションを使用したスケッチでペイントストロークをアニメートする
ペイントパネルで種類ポップアップメニューから「連続」を選択すると、ストロークの作成に使用したモーションに合わせて「終了」プロパティが自動的にアニメートされます。
After Effects には、ブラシアニメーションエフェクトも含まれています(ブラシアニメーションエフェクトを参照)。
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ツールパネルでペイントツールを選択します。
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ペイントパネルで、種類ポップアップメニューから「連続」を選択します。
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レイヤーパネルでペイントストロークをドラッグしてレイヤーに適用します。
ペイントを始めると、ブラシの動きがリアルタイムで記録され、結果のストロークが出力画面に現れる速度が決まります。レイヤーパネルでレイヤー内をクリックすると記録が開始されます。マウスボタンを放すと現在の時間がペイント開始時間に戻ります。この動作により、同時に開始するアニメーション再生用により多くのペイントストロークを記録できます。
シェイプパスでパスのトリミング操作をアニメートすると、「書き込み」を使用してペイントストロークをアニメーション化したときと似た結果が得られます。(パスの方向によってシェイプを変更するを参照。)
ペイントストロークパスをアニメートする
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ツールパネルでペイントツールを選択します。
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ペイントパネルで、デュレーションメニューから「1 フレーム」、「一定」または「カスタム」を選択します。
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レイヤーパネルでペイントツールをドラッグして、ペイントストロークを作成します。
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選択ツールを使用して、ペイントストロークを選択します。注意:
選択ツールを一時的にアクティブにするには、V キーを長押しします。
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選択したペイントストロークをタイムラインパネルで表示するには、S キーを 2 回押します。
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ペイントストローク名の横にある三角形をクリックして、プロパティのリストを展開します。
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パスプロパティのストップウォッチをクリックして、最初のパスキーフレームを作成します。
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現在の時間インジケーターを任意の時間にドラッグします。
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ストロークを選択した状態でペイントツールを使用してレイヤーパネルでドラッグし、ペイントストロークを作成します。タイムラインパネルに 2 番目のパスキーフレームが表示されます。
ストロークが選択されているときにストロークを作成すると、選択されているストロークが置き換えられます。この操作はストロークターゲットとも呼ばれます。
注意:パスの補間がうまくいかない場合は、パスをマスクとして作成し、「スマートマスク補間」を使用して補間を微調整し、その後、マスクパスプロパティのキーフレームをペイントストロークのパスプロパティにコピーすることをお勧めします。(スマートマスク補間を使用したマスクパスのアニメーション化を参照。)