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After Effects は、待望されていた機能であるマルチフレームレンダリングを搭載しました。プレビューから書き出しまでシステムのパフォーマンスが向上し、最高のパフォーマンスを発揮するようにコンピューターを最適化するための様々な機能が追加されています。
マルチフレームレンダリングを試す理由
マルチフレームレンダリングを使用すると、After Effects が速くなります。マルチフレームレンダリングは、CPU コア数、使用可能な RAM、グラフィックカードの処理能力に基づいて、プロジェクトをコンピューター上でレンダリングする速度に影響を及ぼします。
以下の表を参照して、After Effects 2022 によるコンポジションのレンダリング速度を確認してください。
|
最小仕様 |
ミッドレンジシステム |
ハイエンドシステム |
コア |
4〜6 |
8〜10 |
16〜64 |
メモリ(GB) |
16 |
16〜32 |
48〜128 |
現在の速度の向上 |
1.2〜1.5 倍速 |
1.75〜2 倍速 |
2.5〜4 倍速 |
マルチフレームレンダリングを有効にする
After Effects では、マルチフレームレンダリングがデフォルトで有効になっています。これを無効化および再有効化するには、次のようにします。
- After Effect/設定/メモリとパフォーマンス(macOS)またはファイル/環境設定/メモリとパフォーマンス(Windows)を選択します。
- 「パフォーマンス」セクションで、「マルチフレームレンダリングを有効にする」オプションをオンまたはオフにします。
After Effects では、CPU パワーの 100% を使用することができるので、コンピューター上の他のアプリケーションで使用できる CPU パワーの一部を予約することもできます。0% ~ 70% の値を調整するには、「他のアプリケーション用に確保する CPU の割合」スライダーを使用します(デフォルトは 10% です)。
After Effects は一定の時間が経過すると、アイドル状態のときにコンポジションを自動的にレンダリングします。そのため、休憩から戻ると、プレビューを再生する準備が整っています。デフォルトのアイドル時間は、8 秒に設定されています。設定を変更するには、After Effects/環境設定/プレビューを選択します。「アイドル時にフレームをキャッシュ」セクションには、次のオプションがあります。
- キャッシュが開始されるまでのアイドル遅延時間 - After Effects がアイドル状態tになってから、フレームのキャッシュが自動的に開始されるまでのデュレーションを指定します。デフォルトでは、8 秒に設定されています。
- キャッシュフレーム - CTI の位置に関連してフレームをどのようにキャッシュするかを指定します。
- キャッシュ範囲 - アイドル中にレンダリングされるフレームの範囲を変更することができます。
- 「キャッシュフレーム」のオプションは次のとおりです。
- 現在の時間から - フレームは、CTI が置かれている場所の先頭からキャッシュを開始します。
- 現在の時間の前後 - フレームは、CTI の前後でキャッシュを開始します(前後 1 つずつのフレームがキャッシュされます)。
- 範囲の開始から - フレームは、設定された「キャッシュ範囲」の先頭からキャッシュを開始します。
- 「キャッシュ範囲」のオプションは次のとおりです。
- ワークエリア - After Effects では、ワークエリア内のすべてのフレームがキャッシュされます。
- 現在の時間で拡張されたワークエリア - CTI が位置している場所を先頭に、ワークエリアの最後までのフレームをキャッシュします。
- デュレーション全体 - コンポジションのデュレーション全体におけるフレームをキャッシュします。
レンダーキューパネルでは、マルチフレームレンダリングを利用して、レンダリングの内容、残り時間、レンダリングの進行状況、システムの使用方法をハイライト表示できます。この情報は、レンダリングのパフォーマンスとディスク容量の使用状況を解析するのに役立ちます。詳しくは、レンダーキューパネルを使用したレンダリングと書き出しを参照してください。
レンダーキューの「情報」ボタンをクリックすると、フレームレンダリングに関する情報が表示されます。
レンダーキュージョブ、またはキュー全体のレンダリングが終了すると、After Effects によって Creative Cloud デスクトップおよびモバイルアプリ経由で通知が届きます。通知を受信するには、モバイルデバイスに Creative Cloud アプリがインストールされている必要があります。通知を選択すると、アプリ内の通知リストにリダイレクトされ、内容を確認することができます。さらに、モバイルにスマートウォッチが添付されている場合にも、その通知が表示されます。
詳しくは、レンダリングが完了した後にリモート通知を受信するを参照してください。
よくある質問
一般的な質問
マルチフレームレンダリングは、プレビューとレンダリングを実行するときに、システムの CPU コアの能力を最大限に活用することでクリエイティブな作業を促進します。さらに、After Effects チームは、マルチフレームレンダリングを利用してワークフローの速度を大幅に向上させる新機能を追加しました。
- コンポジションプロファイラーでは、コンポジション内のレイヤーとエフェクトのうち、他のレイヤーとエフェクトとの関連でレンダリングに最も時間がかかっているものを確認できます。
- アプリケーションがアイドル状態のときに、スペキュラティブプレビューによりアクティブなコンポジションがレンダリングされます。
- 刷新されたレンダリングキューと Adobe Media Encoder を使用すると、より高速に書き出すことができます。
CPU のコア数が多いほどパフォーマンスが向上しますが、GPU、RAM、使用されているエフェクト、サードパーティ製のプラグイン、そして場合によっては作業するプロジェクトの種類など、その他の要因も関係してきます。
After Effects チームは、様々なパートナーと連携して、ワークフローに基づいて最高のシステムオプションを提供しています。
- Puget Systems
- HP
- Dell(近日中)
- Lenovo - システム構成の詳細を取得するには、次のファイルをダウンロードしてください。
After Effects 2022 にバンドルされているすべてのエフェクトは、マルチフレームレンダリング向けに最適化されています。 サードパーティのエフェクトも最適化され、ここにリスト表示されています。
マルチフレームレンダリングをサポートしないエフェクトには、エフェクトコントロールウィンドウに黄色の警告アイコンが表示されます。
いいえ。マルチフレームレンダリングは、CPU のすべてのコアを並行して利用する After Effects の新しいテクノロジーです。「複数のフレームを同時にレンダリング」またはマルチプロセシングと呼ばれる従来のテクノロジーは、After Effects の複数のインスタンスを実行することによって、いくつかのプロセスを高速化していました。After Effects では、マルチプロセシングは使用されなくなりました。