テキストレイヤーとシェイプレイヤーへの押し出しの適用

ベベルおよび押し出しを適用したテキストレイヤーとシェイプレイヤーについて

コンピューターグラフィックでは、押し出しを適用したオブジェクトは、3 次元のように見えるオブジェクトのことを表します。 そのような 3D の外観は、オブジェクトの移動時やオブジェクトの周囲でのカメラの移動時に最も明らかになります。 ベベルは、押し出しを適用したオブジェクトのエッジに対する制御のことです。

レイトレース 3D コンポジションで作業することで、ベベルおよび押し出しを適用したテキストレイヤーとシェイプレイヤーを作成できます。

ベベルおよび押し出しを適用したテキストおよびシェイプレイヤーの操作は、レイトレース 3D コンポジションで行います。 

レイトレース 3D コンポジションは、コンピューターにインストールされている正規の NVIDIA GPU か、すべての CPU コアのいずれかでレンダリングされます。正規の GPU がインストールされていない場合、CPU レンダリングが自動的に実行されます。 GPU レンダリングは、パフォーマンスが大幅に高速化するので、より望ましいです。

お使いのハードウェアとコンポジションの複雑さによっては、レイトレース 3D コンポジションの操作は難しくなります。レイトレース 3D コンポジションでのオブジェクトの操作が難しい場合は、高速プレビューを使用します。高速プレビューモードは押し出しが適用されたテキストおよびレイヤーのアニメーションのおおまかな表示や実験に適しています。 

メモ

お使いのコンピュータの GPU と CPU でレイトレース 3D レンダリングをサポートしている場合は、CPU でのレンダリングを強制することができます(例えば、ヘッドレス環境を使用している場合)。詳しくは、OpenGL と GPU の環境設定を参照してください。

レイトレース 3D レンダラー

また、レイトレース 3D レンダラーをコンポジションレンダラーとして利用できます。 これは、以前のバージョンのデフォルトレンダラーである従来の高度 3D(現在のクラシック 3D)コンポジションレンダラーとは異なるものです。レイトレース 3D レンダラーは、既存のスキャンラインレンダラーから大きく発展しています。 既存のマテリアルオプションに加えて、反射、透明度、屈折率、環境マップも処理できます。

ソフトシャドウ、モーションブラー、被写界深度ブラー、文字間シャドウ、任意の種類のライトを使用した表面へのイメージ投影、レイヤーの交差などの既存の機能がサポートされています。 重なり順の一番下にある 2D レイヤーの背景が見えるようになり、半透明のオブジェクトを通して見ることができます。

レイトレース 3D レンダラーの制限

レイトレース 3D レンダラーでは、次の機能はレンダリングされません。

  • 描画モード
  • トラックマット
  • レイヤースタイル
  • テキストレイヤーとシェイプレイヤーを含む連続ラスタライズされたレイヤーのマスクおよびエフェクト
  • コラップストランスフォームした 3D プリコンポジションレイヤーのマスクおよびエフェクト
  • 下の透明部分を保持

レイトレース 3D コンポジションのその他の機能

レイトレース 3D コンポジションには次のような機能もあります。

  • フッテージレイヤーとコンポジションレイヤーの曲げ
  • 環境レイヤーのサポート
  • 追加のマテリアルオプション(反射、屈折率、透明度)

レイトレース 3D コンポジションの作成

押し出しを適用したテキストとシェイプ、曲げ可能なレイヤーおよび関連する形状では、レイトレース 3D コンポジションで作業する必要があります。 レイトレース 3D コンポジションを作成するか、既存のコンポジションをレイトレース 3D コンポジションに変換することができます。 レイトレース 3D コンポジションを作成するには、次の操作を行います。

  1. コンポジションを作成します。

  2. そのコンポジションのコンポジション設定ダイアログボックスを開きます。

  3. 詳細」タブを選択し、「レンダリングプラグイン」(現在は「レンダラー」)を「レイトレース 3D」に設定します。

既存のコンポジションをレイトレース 3D コンポジションに変換するには、最初の手順を省略します。

これでコンポジションはレイトレース 3D コンポジションとなり、押し出しを適用したテキストとシェイプが利用できるようになります。

詳しくは、高度なコンポジション設定、レイトレーシング画質、アンチエイリアスフィルタリングを参照してください。

メモ

レイトレース 3D コンポジションでは、カメラレイヤーに「アイリスの回折フリンジ」、「ハイライトのゲイン」、「ハイライトのしきい値」、「ハイライトの彩度」の各プロパティは含まれません。

レイトレース 3D コンポジションのプレビュー

3D レイトレースコンポジションのプレビューを行う際に、別の高速プレビューモードを選択して、より適切なワークフローを実現することができます。 

コンポジションレンダラーの監視と変更

どのコンポジションレンダラー(クラシック 3D またはレイトレース 3D)を現在使用しているかを知るには、コンポジションパネルの右上隅にある「レンダラー」ボタンを確認します。 「レンダラー」ボタンはコンポジションに 3D レイヤー(カメラやライトなど)がある場合のみ表示されます。

  • コンポジションレンダラーを変更するには、ボタンを選択してコンポジション設定ダイアログボックスの「詳細」タブを開きます。
  • 現在のレンダラーのオプションを変更するには、Ctrl キー(Windows)または Command キー(macOS)を押しながらボタンをクリックします。

ベベルおよび押し出しを適用したテキストレイヤーとシェイプレイヤーの作成

レイトレースレンダラーでは、3D テキストレイヤーとシェイプレイヤーに押し出しやベベルを適用できます。 テキストレイヤーまたはシェイプレイヤーにベベルと押し出しを適用するには、次の操作を行います。

  1. レイトレース 3D コンポジションを作成します。

  2. テキストレイヤーまたはシェイプレイヤーを作成します。

  3. レイヤーに対して 3D を有効にします。

    ヒント

    詳しくは、レイヤーに対して 3D を有効にする方法と 3D レイヤーの変換を参照してください。

  4. ベベルおよび押し出しの制御を調整します。

外観を制御するには、タイムラインパネルのレイヤーの「形状オプション」セクションで、次のプロパティを使用します。
  • ベベルのスタイル:ベベルの形。 「なし」(デフォルト)、「角型」、「凹型」、「凸型」から選択できます。
  • ベベルの深さ:ベベルの縦方向、横方向のサイズ(ピクセル単位)。
  • 内枠のベベルの深さ:テキスト文字の内側部分に対するベベルのサイズ(「O」の穴の部分など)。 「ベベルの深さ」のパーセンテージとして表されます。
  • 押し出す深さ:押し出しの太さ(ピクセル単位)。 側面(押し出される表面)は、前面に対して直角になります。

これらの新しい 3D オブジェクトは、掃引曲面の形状(指定したパスに沿って 2D シェイプを移動できる場所)に基づいており、この点はクラシック 3D レンダラーのピクセルベースのテキストおよびシェイプから発展しています。 そのため、マスク、エフェクトおよびトラックマットを形状に適用しても意味がありません。 テキストとシェイプの形状プロパティは維持されるので、カーニング、フォントサイズ、下付き文字などの文字スタイルがサポートされます。

次の既知の問題が存在します。

  • 塗りと線のグラデーションは、3D シェイプレイヤーではサポートされません。
  • シェイプでの奇偶規則のワインディングは現時点で正常に動作しません。 場合によっては、代わりにパスを結合演算子を使用する必要があります。
  • 1 本のパスが交差するシェイプに対する塗りが正常に適用されない場合があります。 また、ネスト化された穴が複数ある合成パスを持つオブジェクトは正常にレンダリングされない可能性があります。

ベベルおよび押し出しを適用したベクトルアートワーク

ベクトルオブジェクトフッテージレイヤーからシェイプレイヤーを作成し、そのシェイプレイヤーを変更することができます。 ベクトルレイヤーがシェイプレイヤーに変換された後は、そのレイヤーにベベルや押し出しを適用できます。

メモ

フッテージレイヤーを曲げる

レイトレースレンダラーでは、3D レイヤーとネスト化したコンポジションレイヤーに、垂直軸を中心に曲げるための次の形状オプションが含まれます。

  • 曲率:曲げの量(パーセンテージで指定)。 デフォルトは 0 %(曲げない)ですが、ビデオの壁や翼の羽ばたきをシミュレートするために、-100 ~ 100 %の範囲で指定できます。
  • 線分数:ベンドの滑らかさまたは面数。値が小さいほど、面が広くなり見た目が粗くなります。

マスクとエフェクトを適用することはできますが、そのようなレイヤーに対してベベルや押し出しを適用することはできません。 また、コラップスされた 3D コンポジションレイヤーでは、マスクとエフェクトは無視されます。

マテリアルオプション

3D オブジェクトの表面にはマテリアルが使用されます。マテリアルオプションはオブジェクトとライトの相互作用を決定する表面のプロパティです。 After Effects にはマテリアルオプションプロパティが複数あり、押し出しが適用されたテキストレイヤーとシェイプレイヤーにマテリアルを適用するための方法が導入されています。

タイムラインパネルのレイヤーの「マテリアルオプション」セクションには、次のプロパティがあります。

  • 反射内に表示:レイヤーを他の反射レイヤーの反射に表示するかどうかを表します。
    • オン」および「オフ」オプションは、反射の表示の有無を制御します。レイヤー自体はつねに表示されます。
    • 効果のみ」オプションを選択すると「オン」オプションと同様に反射が表示されますが、レイヤー自体は非表示になります。
  • 反射強度:他の反射 3D オブジェクトや環境マップのうち現在のオブジェクトに表示されるものがどれくらいあるかを示します。
    • 反射ロールオフ」プロパティ値にもとづいて、反射はやや明るくなり、マテリアルは視野角にもとづいて鏡面状になります。 表面を視射角で表示した場合の反射は、表面を直視する場合より明るくなります。また、視射角が小さくなる(表面の直視より表面を横切っての表示に近くなる)とピクセルあたりの拡散が自動的に減少するため、反射の方がエネルギーを節約できます。
    • さらに、「鏡面光沢」プロパティを調整すると、反射の光沢を(ブラーからほぼ鏡面状までの範囲で)制御できます。
  • 反射シャープネス:反射のシャープネスまたはブラーを制御します。
    • 値を大きくすると反射がシャープになり、値を小さくするとぼかして表示されます。
    • この設定による結果を表示できない場合は、「レイトレース画質」の値を 3 以上に増やしてください。
  • 反射ロールオフ:反射面で、フレネル効果(視射角での反射の密度)の量を制御します。
  • 透明度:マテリアルの透明度を制御します。この設定は、レイヤーの「不透明度」設定には影響しません(ただし、「不透明度」設定を変更するとオブジェクトの透明度設定に影響が生じます)。
    • 完全に透明な表面を設定することもできますが、反射と鏡面ハイライトは引き続き表示されます。
    • レイヤーの不透明度が低下すると、全体の外観が透明になります。また、レイヤーのアルファが適用されるため、アルファを 0 に設定するとレイはアルファをまったく認識できなくなります。
  • 透明度ロールオフ:表面が透明の場合に、視野角を基準とする透明度を制御します。この透明度は表面を直視した場合に指定値となり、視射角から(例えば、曲線オブジェクトのエッジに沿って)見る場合は不透明になります。
  • 屈折率:光が 3D レイヤーを通過するときの屈折を制御します。これにより、半透明のレイヤーの背後にあるオブジェクトの表示が制御されます。
  • これらのプロパティは 3D テキストおよび 3D シェイプレイヤーのすべての表面に適用されますが、テキストアニメーターやシェイプ演算子により上書きすることができます。

マテリアルの「強度」と「光沢」が更新され、それぞれ「鏡面強度」と「鏡面光沢」に名前が変わりました。 

レイトレース 3D レンダラーはエネルギー節約シェーダーを使用しています。このシェーダーは直接照明コンポーネント(拡散とアンビエント)と透明度を反射強度と透明度に基づいて調整し、鏡面強度を反射ロールオフに基づいて調整します。 具体的には次のとおりです。

  • 反射強度はロールオフ(反射ロールオフ)を使用して計算されます。
  • 透明度はロールオフ(透明度ロールオフ)を使用して計算されます。
  • 鏡面強度はロールオフ(反射ロールオフ)を使用して計算されます。
  • 拡散とアンビエントは元の値の(100% - 反射強度)×(100% - 透明度)に減少します。
  • その後、透明度が元の値の(100% - 反射強度)に減少します。

例えば、次のようになります。

  • 反射強度が 50% で、透明度が 100% の場合、拡散アンビエントは 0% になります(元の値% ×(100-50)×(100-100)÷100)。鏡面強度は反射ロールオフの値に応じて減少します。透明度は 50% に低下します(100% *(100-50)/100)。
  • 反射強度が 50% で透明度が 50% の場合、拡散アンビエントは元の値の 25% になり、鏡面強度反射ロールオフの値に応じて減少します。透明度は 25% に減少します。
  • 反射強度が 100% の場合、拡散アンビエント透明度は 0% になります。鏡面強度反射ロールオフの値に応じて減少します。

マテリアル定義にカラーは含まれていません。 テキストレイヤーやシェイプレイヤーの色は、文字パネル(テキストの場合)またはシェイプ演算子(シェイプの場合)から取得します。ただし、現在のテキストアニメーターやシェイプ演算子のサポートを使用してマテリアルのプロパティを上書きすることはできます。 3D テキストレイヤーでは、アニメーターポップアップメニューの「塗りのカラー」、「線のカラー」、「線幅」の各オプションは、マテリアルオプションでは前面背面ベベル側面の各サブメニューに置き換えられます。

3D シェイプレイヤーでは、「グラデーションの塗り」と「グラデーションの線」の各シェイプ演算子は、マテリアルオプションでは前面背面ベベル側面の各サブメニューに置き換えられます。ただし、塗りや線はシェイプレイヤーの形状を定義するため、「塗り」と「」の各シェイプ演算子は引き続き追加が可能です。この時点では、シェイプレイヤーの塗りとストロークのグラデーションは無視されます。

環境レイヤー

レイトレースレンダラーでは、3D フッテージ、またはネスト化したコンポジションレイヤーを、シーンの周囲に球状にマップされた環境として使用できます。 この環境マップレイヤーは反射オブジェクトで表示されます。

フッテージまたはネスト化したレイヤーを環境レイヤーとして設定するには、レイヤー環境レイヤーを選択します。レイヤーが 3D レイヤーに変わり、レイヤー名の横に小さな地球のアイコンが表示されます。タイムラインパネル(の「オプション」)に表示されるプロパティは少なくなり、次のプロパティが表示されます。

  • 方向、X/Y/Z 回転:バックドロップ環境を回転し、反射内でどのように表示されるかを制御します。このプロパティはレイヤーのエッジ間の継ぎ目を非表示にする場合に便利です。
  • 不透明度:(反射内ではなく)バックドロップとしての環境の不透明度を制御します。
  • 反射内に表示:シーン内での環境マップの使用を制御します。環境を反射オブジェクト内でもバックドロップとしても表示するか(「オン」)、反射オブジェクト内でのみ表示してバックドロップとしては表示しないか(「効果のみ」)、バックドロップとしてのみ表示して反射内では表示しないか(「オフ」)のいずれかを選択します。

任意のフッテージまたはネスト化したコンポジションレイヤー(カメラなど)を環境レイヤーとして使用できますが、使用されるのはその時点で表示される(ミュートされていない)環境レイヤーのうち最上位のものです。また、反射内で使用されている環境レイヤーは高速ドラフトモードでは表示されません。 環境レイヤー内の半透明の領域では、バックドロップにはコンポジションの背景色が表示されますが、反射では表示されません。

メモ
  • 調整光と同様に、環境レイヤーの調整レイヤースイッチを有効にして、環境レイヤーがその下の 3D 反射レイヤーのみにレイヤーの重ね順で表示されるようにすることができます。
  • 環境レイヤーを負のスケールが設定されたレイヤーの親にすると、方向が反転します(これは想定された動作です)。

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