マニュアル キャンセル

Premiere Pro の書き出しが色あせて表示される理由  

Adobe Premiere Pro からビデオを書き出す際の色あせたカラーを修正する方法について説明します。

問題

場合によっては、書き出されたビデオがプログラムモニターに表示されるものと異なることがあります。書き出しは、「過度に明るい」または「色あせている」と説明される場合があります。 

原因 

この問題を理解するには、デバイスが画像を表示する方法を理解する必要があります。  

テレビ、Windows および macOS コンピューターなどのデバイスや、様々なアプリケーションのビューアでは、画面の明るさの表示方法と人間の目が認識する方法をよりよく一致させるためにガンマ曲線を使用します。  

QuickTime ガンマシフトは、様々なデバイスやビューアが異なるガンマ曲線を使用することから発生します。macOS では 1.96 のガンマ曲線を使用し、Windows では 2.2 のガンマ曲線を使用します。ブロードキャストビデオの標準は 2.4 のガンマ曲線です。Premiere Pro では、2.4 放送標準規格を使用してビデオを表示します。  

これらのガンマ曲線の違いにより、Premiere Pro では正しく表示されるビデオが、Windows ガンマ 2.2 を使用する Windows アプリケーションに書き出して表示すると、わずかに異なって表示されます。  

Premiere Pro の書き出しを macOS で表示すると、より大きなシフトが発生します。デフォルトでは、Premiere Pro は 2.4 ガンマ曲線を使用してビデオを表示しますが、書き出されたビデオを他のほとんどの macOS アプリケーションで開くと、macOS 1.96 ガンマ曲線が使用され、ビデオが色あせて表示されます。  

この問題は、オペレーティングシステムと様々なアプリケーションのビューアの違いによって発生するので、簡単な「修正」方法はありません。代わりに、Premiere Pro にはビデオの表示に使用されているガンマ曲線を変更できる機能があります。  

ビューアガンマ機能の使用

ビューアガンマLumetri カラー設定プロジェクト)を使用すると、ビデオの表示方法を変更できます。これには、3 つのガンマ曲線オプションが用意されています。

  • 2.4(放送)
  • 2.2(Web)
  • 1.96(QuickTime)
Lumetri カラーパネルの「設定」タブの「プロジェクト」セクションにある「ビューアガンマ」オプション
ビデオの表示カラーを変更する「ビューアガンマ」オプションの設定

ビューアガンマを変更しても、ビデオの書き出し方法は変更されません。これにより、Premiere Pro でのビデオの表示方法が変更され、ビデオの表示をお客様の表示と一致させることができます。 

以前のバージョンの Premiere Pro では、一部のお客様は、QuickTime ガンマシフトに対処するために、書き出し時にアドビが作成したガンマ補正 LUT を使用していました。ビューアガンマを使用すると、この LUT を使用する必要がなくなります。 

注意:

Premiere v25.2 以前では、ビューアガンマは標準ダイナミックレンジ(SDR)ワークフローで動作するように設計されています。これは、Rec. 709、ログおよび Raw メディアで動作します。ログおよび Raw メディアの場合、LUT ベースのワークフローでは正しく機能しますが、Lumetri カラー設定プロジェクト自動検出されたログと Raw メディアのカラー管理がオンになっていると機能しません。また、ビューアガンマでは、Lumetri カラー設定シーケンスカラー設定ダイレクト Rec. 709(SDR)またはカラーマネジメントを無効にするに設定する必要があります。今後のバージョンの Premiere Pro には、追加のカラーマネジメントワークフローで動作するアップデートされたビューアガンマ機能が含まれる予定です。

オーディエンス用のグレーディング

デバイスによって使用するガンマ曲線が異なるので、常に「正しい」選択となる単一のガンマ曲線は存在しません。最適なビューアガンマオプションを選択する際には、オーディエンスを考慮する必要があります。   

  • Web コンテンツの場合:デバイス間の互換性を最大限に高めるために、2.2 ガンマを使用してグレーディングします。
  • ブロードキャストの場合:2.4 ガンマ標準規格を引き続き使用します。 
  • macOS デスクトップでのみお客様が表示する場合:1.96 ガンマを使用します。 

ベストプラクティス 

  • コンテンツの表示場所と表示方法を考慮します。 
  • Web コンテンツの場合、様々な表示環境を補正するために、コントラストをわずかに上げることを検討します(Lumetri カラー編集基本補正ライトコントラスト)。 
  • 潜在的な表示バリエーションについてクライアントに伝えます。各システムのカラー情報の表示方法により、デバイス間でカラーが異なって表示される場合があります。 
  • 「QuickTime ガンマシフト」はバグではなく、異なるシステムのカラー情報の表示方法によって発生します。これらの違いを理解し、使用可能なツールを使用することで、様々な表示シナリオをまたいでクリエイティブなビジョンの一貫性をより確実に維持できます。

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