スタビライズするクリップを選択します。
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ワープスタビライザーエフェクトを使用すると、Premiere Pro のぶれの表示を修正できます。カメラの動きによって生じる変位を除去することで、手持ち撮影によるぶれのあるショットをぶれのないスムーズなショットにトランスフォームします。
ワープスタビライザーエフェクトを使用したスタビライズ
Premiere Pro のワープスタビライザーを使用したフッテージのスタビライズ方法
ワープスタビライザーエフェクトを使用してモーションをスタビライズするには、次の操作を行います。
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エフェクトパネルを開き、「ビデオエフェクト」を選択します。下にスクロールして「歪曲」をクリックし、「ワープスタビライザー」をダブルクリックします。「ワープスタビライザー」オプションをクリックしてクリップにドラッグすることもできます。
エフェクトを追加すると、ただちにクリップの分析がバックグラウンドで開始されます。分析が開始されると、プロジェクトパネルの 2 つのバナーの 1 つに、分析中であることが表示されます。分析が完了すると、2 番目のバナーにスタビライズ中であることを示すメッセージが表示されます。
これらの処理が行われている間も、フッテージを編集したりプロジェクトの他の場所で作業を行うことができます。
Premiere Pro のワープスタビライザーエフェクトでは、クリップディメンジョンがシーケンス設定と一致している必要があります。クリップがシーケンス設定と一致していない場合、クリップをネストできないため、ワープスタビライザーエフェクトをネストに適用します。
ワープスタビライザーの設定
分析:初めてワープスタビライザーを適用したときには、このボタンを押す必要はありません。自動的に押された状態になります。「分析」ボタンは、変更が行われるまでグレー表示になったままになります。レイヤーのインポイントまたはアウトポイントを調整するか、上流工程でレイヤーソースに変更を行うと、このボタンが再度有効になります。このボタンをクリックして、フッテージを再分析します。
キャンセル:処理中の分析をキャンセルします。分析中は、「キャンセル」ボタンの横にステータス情報が表示されます。
分析では、同じクリップに直接適用されるエフェクトは考慮されません。
スタビライズ
スタビライズ設定により、スタビライズプロセスを調整できます。
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結果:フッテージの結果を制御します(「滑らかなモーション」または「モーションなし」)。
- 滑らかなモーション(初期設定):元のカメラの動きを保持しつつ、滑らかにします。選択した場合、カメラの動きをなめらかにする度合いを制御する「滑らかさ」が有効になります。
- モーションなし:ショットから、カメラのすべての動きの除去を試みます。選択した場合、詳細セクションの「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」機能が無効になります。この設定は、分析範囲全体にわたって、メインの被写体の少なくとも一部がフレーム内に残っているフッテージで使用します。
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滑らかさ:カメラの元の動きのどの程度をスタビライズ対象にするかを選択します。値を小さくすると元のカメラの動きに近くなり、値を大きくするとなめらかになります。100%を超える値にすると、より多くの画像領域が切り抜かれます。「結果」を「滑らかなモーション」に設定すると有効になります。
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メソッド:ワープスタビライザーでフッテージをスタビライズする際の非常に複雑な動作を指定します。
- 位置:位置データのみに基づいてスタビライズします。フッテージをスタビライズするための最も基本的な方法です。
- 位置、スケール、回転:位置、スケールおよび回転データに基づいてスタビライズします。トラッキングする領域が十分にない場合、ワープスタビライザーによって前の種類である「位置」が選択されます。
- 遠近:フレーム全体が効果的にコーナーピンされるスタビライズを使用します。トラッキングする領域が十分にない場合、ワープスタビライザーによって前の種類である「位置、スケール、回転」が選択されます。
- サブスペースワープ(初期設定):フレーム全体をスタビライズするためにフレームの様々な部分に異なるワープを適用します。トラッキングする領域が十分にない場合、ワープスタビライザーによって前の種類である「遠近」が選択されます。特定のフレームで使用されている補間方法が、トラッキング精度に基づいてクリップの流れで変わることがあります。
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スケールを保持: このチェックボックスが選択されている場合、クリップの拡大/縮小は変更されません。
場合によっては、「サブスペースワープ」により不要なワープが追加されたり、「遠近」により不要なキーストーンが追加されることがあります。より単純な補間方法を選択することでこれを防止できます。
境界線
境界線の設定は、スタビライズされるフッテージで境界(移動するエッジ)をどう扱うかを調整します。
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フレーミング:スタビライズの結果でエッジがどのように表示されるかを制御します。次のいずれかに設定できます。
- スタビライズのみ:移動するエッジを含めてフレーム全体を表示します。また、画像をスタビライズするのにどの程度の処理が行われたかを示します。スタビライズのみを使用した場合、ほかの方法を使用してフッテージを切り抜くことができます。選択した場合、「自動スケール」セクションと「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」プロパティが無効になります。
- スタビライズ、切り抜き:スケールせずに移動するエッジを切り抜きます。「スタビライズ、切り抜き」は、「スタビライズ、切り抜き、自動スケール」で「最大スケール」を 100%に設定した場合と同じ結果になります。このオプションを有効にすると、「自動スケール」セクションは無効になりますが、「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」プロパティは有効になります。
- スタビライズ、切り抜き、自動スケール(初期設定):移動するエッジを切り抜いて、画像を拡大してフレームを埋め直します。自動スケールは、「自動スケール」セクションの各種プロパティで制御できます。
- スタビライズ、エッジを合成:移動するエッジによって作成される空のスペースを、前のフレームおよび後のフレームの内容で埋めます(「詳細」セクションの「合成入力範囲」によって制御)。このオプションでは、「自動スケール」セクションと「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」プロパティが無効になります。
注意:フレームのエッジにカメラの動きとは関係ない動きがある場合、望ましくない処理結果が生じることがあります。
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自動スケール:現在の自動スケール値が表示され、自動スケールの制限値を設定することができます。「自動スケール」を有効にするには、フレームを「スタビライズ、切り抜き、自動スケール」に設定します。
- 最大スケール:クリップがスタビライズ用に拡大される際の最大値を制限します。
- アクションセーフマージン:0 以外の場合、表示しない画像のエッジの周囲に境界が指定され、自動スケールによって埋められないようになります。
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追加のスケール:「変形」の「スケール」プロパティを使用したスケール処理と同じ結果が得られますが、画像の再サンプリングはおこなわれません。
詳細
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詳細分析:オンにすると、トラッキングする要素の検索が次の分析フェーズで実行されます。このオプションを有効にした場合、結果のデータ(エフェクトの一部としてプロジェクトに保存されるデータ)のサイズが大きくなり、処理速度が低下します。
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高速分析:実際の安定化プロセスを変更せずに、Premiere Pro でぶれのあるフッテージを分析するのにかかる時間を短縮します。このオプションは、初期設定で選択されています。このチェックボックスは、必要に応じてオフにすることができます。
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ローリングシャッターリップル:スタビライザーは、スタビライズしたローリングシャッターフッテージに含まれているリップルを自動的に削除します。初期設定は「自動リダクション」です。フッテージに大きなリップルが含まれている場合は、「拡張リダクション」を使用してください。いずれかの方法を使用するには、「補間方法」を「サブスペースワープ」または「遠近」に設定します。
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切り抜きを縮小 <-> より滑らかに:切り抜き中は、スタビライズした画像の上を移動する際の切り抜く長方形の滑らかさとスケールの兼ね合いを調整できます。値を小さくするとなめらかになりますが、画像のより多くの部分が表示されます。100%に設定した場合、「スタビライズのみ」オプションを選択して手動で切り抜くのと同じ結果になります。
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合成入力の範囲(秒):「スタビライズ、エッジを合成」フレームを使用している場合に、不足しているピクセルを補うのに必要な合成処理の前後時間範囲を制御します。
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合成エッジのぼかし:合成する部分のぼかし量を選択します。「スタビライズ、エッジを合成」フレームを使用している場合のみ有効になります。合成されたピクセルが元のフレームと合わさるエッジ部分をなめらかにするには、ぼかしコントロールを使用します。
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合成エッジの切り抜き:「スタビライズ、エッジを合成」フレームオプションを使用しているときに、ほかのフレームとの結合前に、各フレームのエッジをトリミングします。アナログビデオや低品質なレンズで生じる不良なエッジを切り抜くには、切り抜きコントロールを使用します。デフォルトでは、すべてのエッジが 0 ピクセルに設定されます。
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警告バナーを隠す:再分析する必要があることを示す警告バナーが表示されても、フッテージを再分析しない場合に使用します。
ワープスタビライザーワークフローのヒント
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ワープスタビライザーを適用します。
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ワープスタビライザーがフッテージを分析しているときに、設定を調整したり、プロジェクトの異なる部分で作業を行うことができます。
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カメラのすべての動きを完全に除去するには、スタビライズ/結果/モーションなしを選択します。元のカメラの動きの一部をショットに含めるには、スタビライズ/結果/滑らかなモーションを選択します。
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結果が良好であれば、スタビライズはこれで完了です。良好でない場合は、次のいずれか 1 つまたは複数の手順に従います。
- フッテージのワープや歪みが激しすぎる場合は、「補間方法」を「位置、スケール、回転」に変更します。
- 不定期のリップル歪みがあり、ローリングシャッターカメラで撮影されたフッテージの場合は、詳細/ローリングシャッターリップルを「拡張リダクション」に設定します。
- 詳細/詳細分析を確認してください。
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必要以上に切り抜かれてしまった場合は、「滑らかさ」または「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」の値を小さくします。「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」では再スタビライズフェーズを必要としないため、こちらの方が応答性に優れています。
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スタビライザーが実際に行っている処理を感覚的に捉えたい場合は、「フレーム」を「スタビライズのみ」に設定します。
「フレーム」をいずれかの切り抜きオプションに設定して、極端に切り抜きされた場合、「過剰な切り抜きを防ぐには、フレームを「スタビライズのみ」に設定するか、その他のパラメーターを調整します。」という赤いバナーが表示されます。この場合は、「フレーム」を「スタビライズのみ」または「スタビライズ、エッジを合成」に設定します。または、「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」あるいは「滑らかさ」の値を小さくします。満足する結果が得られた場合は、「警告バナーを隠す」オプションを有効にします。