文書の表示制限

概要

文書の表示制限(LDV)」を使用して、どの設定が有効になっているか、さらに契約書がどのように設定されているかに応じて、受信者に対して選択的に表示される複数のファイルを契約書に含めることができます。

ユースケースの例:

  • 顧客に送信する前に、社内の審査や承認が必要な販売契約書。
  • 内定通知の受理後に配信される新入社員関連文書。
  • 最初の署名者の範囲外で内部処理が必要となる人事文書。

これは、高度な使い方を学習できるクイックビデオです。

利用対象:

文書の表示制限は、エンタープライズライセンスプランでのみ使用できます。

設定範囲:

LDV は、アカウントレベルとグループレベルで有効にすることができます。

文書の表示制限には、次のような特定の用語が含まれます。

ユーザーおよびユーザー ID

  • ユーザーとは、直接ログイン、フェデレーション認証、または統合によって Adobe Acrobat Sign にアクセスする人を指す一般的な用語です。1 人のユーザーが、Acrobat Sign での認証に使用する複数の電子メールアドレスを所有している場合があります(つまり、1 人のユーザーが複数のユーザー ID を所有している場合があります)。
  • ユーザー ID は、Adobe Acrobat Sign で認証された固有のオブジェクトです。実際の ID は、一意の(ユーザー)オブジェクトの本人確認を保証する、システムによって割り当てられた数値です。ユーザー ID は、通常電子メールアドレスと同一です。どちらもシステム内で一意の値であるからです。ただし、ユーザーは自分の電子メールアドレスを変更できますが、ユーザー ID を変更することはできません。  すべてのアセットは論理的にそれらの作成元ユーザー ID に関連付けられています。

内部および外部の関係者

  • 内部の関係者とは、送信元ユーザー ID と同じ Acrobat Sign アカウントに属するユーザー ID です。
    • 注目すべき点は、同じ会社内のユーザーが異なる Acrobat Sign アカウントに属する場合があることです。Acrobat Sign は、電子メールドメインや会社名に基づいて推測することはありません。唯一関連する関係は、ユーザー ID が同じアカウント ID に関連しているかどうかのみです。
  • 外部の関係者とは、送信元ユーザー ID アカウントのメンバーではないユーザー ID を示しています。
    • 参加者の電子メールがアカウントのユーザーリストに表示されない場合、この参加者は定義によって外部と見なされます。

文書の表示/非表示の仕組み

LDV ルールは、アカウントレベルとグループレベルで有効にすることができます。

LDV ルールは、明示的に特定の受信者に割り当てられたファイルコンテンツのみに適用されます。

ファイルコンテンツは、受信者に割り当てられる 1 つ以上のフィールドを追加することで、その受信者に割り当てられます。

  • LDV はページベースではなく、ファイルベースです。ファイルには 40 ページあり、1 枚のページに受信者に割り当てられた 1 つのフィールドがある場合、受信者はファイルの 40 ページをすべて表示することができます。
  • ファイルに受信者のフィールドが含まれない場合は、受信者への表示からファイル全体が除外されます。
  • 4 つのファイルがあり、受信者が 4 ファイルをすべて表示する必要がある場合は、各ファイルのいずれかのページに少なくとも 1 つのフィールドを適用する必要があります。
  • ページレベルでの制御が必要な場合は、1 ページずつ含まれる個別のファイルに、ファイルを分割する必要があります。
LDV の例

右側の例では、1 つの契約書に関して 2 人の署名者がいて、2 つの文書があります。

署名者 1 には、両方の文書に割り当てられたフィールドがあるため、両方の文書が表示されます(フィールド 1 とフィールド 2)。

署名者 2 には、文書 1 に割り当てられたフィールドがないため、文書 2 のみが表示されます。 

  • フィールド 3 が署名者 2 に割り当てられているため、文書 2 を表示することができます。
注意:

LDV ルールには、2 つの前提条件があります。

  • 2 人以上の受信者が存在している必要があります。
    • 受信者には、署名/承認プロセスに追加されたすべてのユーザーが含まれます。
    • CC の関係者は受信者ではありません
  • 2 つ以上のファイルが契約書に追加されている必要があります。
    • ファイルは、契約書を作成するために使用される任意の添付ファイルです(.doc、.xls、.pdf、.PNG など)。

上記の前提条件のいずれかが満たされていない場合、LDV ルールは、その契約書に対して一時停止されます。

設定

この機能のコントロールは、グローバル設定/文書の表示制限に移動して評価できます。

LDV コントロールがハイライト表示されている「グローバル設定」タブ

署名者には、割り当てられた署名、イニシャルまたはデータ入力フィールドを含むファイルのみが表示されるのがルートコントロールで、LDV エクスペリエンスと一連のセカンダリコントロールが有効になります。このコントロールが無効な場合、受信者エクスペリエンスでは全体的に LDV が無効になります。

すべての受信者と CC の関係者は常時、すべてのファイルを表示することができます。

LDV は無効です

参加者

署名処理中

契約書が完了したとき

送信者

すべての文書

すべての文書

内部の受信者

すべての文書

すべての文書

外部の受信者

すべての文書

すべての文書

内部の CC

すべての文書

すべての文書

外部の CC

すべての文書

すべての文書

外部アーカイブ受信者

NA

すべての文書

ルート LDV コントロールを有効にすると、目的のエクスペリエンスに応じて表示を制御できる追加設定が 3 つあります。

署名者に対して、割り当てられている署名、イニシャルまたはデータエントリフィールドを含むファイルのみを表示する」のみが有効な場合:

  • 送信者は常時、すべてのファイルコンテンツを表示することができます。
  • 受信者は、署名中、および契約の完了後に明示的に含まれたファイルのみを表示することができます。
  • CC の関係者はファイルコンテンツを表示することはできません。
LDV は有効です

参加者

署名中

完了した契約書

送信者

すべての文書

すべての文書

内部の受信者

割り当てられた文書

割り当てられた文書

外部の受信者

割り当てられた文書

割り当てられた文書

内部の CC

なし

なし

外部の CC

なし

なし

外部アーカイブ受信者

NA

すべての文書

アカウント内の署名者と CC にはすべてのファイルが表示される」が有効な場合:

  • すべての内部ユーザー ID(送信元ユーザーに関連)がすべてのファイルコンテンツを表示することができます。
  • 外部の受信者は、署名中、および契約の完了後に、彼らに割り当てられたファイルコンテンツのみを表示することができます。
  • 外部の CC の関係者は、ファイルコンテンツを表示することはできません。
LDV によって内部エージェントにすべてのファイルの表示を許可

参加者

署名中

完了した契約書

送信者

すべての文書

すべての文書

内部の受信者

すべての文書

すべての文書

外部の受信者

割り当てられた文書

割り当てられた文書

内部の CC

すべての文書

すべての文書

外部の CC

なし

なし

外部アーカイブ受信者

NA

すべての文書

署名済み契約書を受信すると、署名者と CC にはすべてのファイルが表示されます」が有効な場合:

  • 受信者は、署名プロセス中に割り当てられたファイルコンテンツのみを表示することができます。
  • CC の関係者には、署名プロセス中にいずれのファイルコンテンツも表示されません。

契約書が完了すると、すべての受信者と CC の関係者がすべてのファイルコンテンツを表示できます。

LDV は完了時にすべてのファイルに適用される

参加者

署名中

完了した契約書

送信者

すべての文書

すべての文書

内部の受信者

割り当てられた文書

すべての文書

外部の受信者

割り当てられた文書

すべての文書

内部の CC

なし

すべての文書

外部の CC

なし

すべての文書

外部アーカイブ受信者

NA

すべての文書

この設定では、LDV ルールは有効で、(送信者に関連する)すべての内部ユーザー ID が署名サイクル中にすべてのファイルコンテンツを表示できます。

契約書が完了すると、すべてのユーザーがすべてのファイルコンテンツを表示できます。

LDV によって内部エージェントにすべてのファイルの表示を許可

参加者

署名中

完了した契約書

送信者

すべての文書

すべての文書

内部の受信者

すべての文書

すべての文書

外部の受信者

割り当てられた文書

すべての文書

内部の CC

すべての文書

すべての文書

外部の CC

なし

すべての文書

外部アーカイブ受信者

NA

すべての文書

手書き署名を受け取る予定である場合は、このオプションを有効にする必要があります。ただし、手書き署名が関連する場合は LDV ルールが適用されない点に注意してください。

いかなる場合でも、手書き署名が関連する場合、LDV ルールはその契約書に対して一時停止されます。

手書き署名の場合の LDV

参加者

署名中

完了した契約書

送信者

すべての文書

すべての文書

内部の受信者

すべての文書

すべての文書

外部の受信者

すべての文書

すべての文書

内部の CC

すべての文書

すべての文書

外部の CC

すべての文書

すべての文書

外部アーカイブ受信者

NA

すべての文書

REST API v6 での LDV の使用

送信者は、REST API v6 を使用して、明示的に文書の表示を許可できます。

REST API v6 呼び出しは、アカウント/グループレベルの設定を上書きするため、API 呼び出しは UI 内のすべての文書表示設定を無視します。

唯一持ち越される動作は、文書ラベルが特定の受信者のフォームフィールドを指定する場合は、送信者が文書ラベルを指定する必要がある点です。 

POST /agreements REST API v6 エンドポイントには、文書表示の動作を制御するために使用できる 3 つのパラメーターがあります。

AgreementInfo

パラメーター名

タイプ

必須

説明

documentVisibilityEnabled

ブール値

いいえ

契約書のオプションの文書表示パラメーター。文書表示を有効にするには、このパラメーターを指定し、true に設定する必要があります。


ParticipantSetInfo

パラメーター名

タイプ

必須

説明

visiblePages

文字列[]

いいえ

この参加者セット内の参加者に対して表示する必要がある FileInfo.label のリスト。


CcInfo

パラメーター名

タイプ

必須

説明

visiblePages

文字列[]

いいえ

この CC 内の参加者に対して表示する必要がある FileInfo.label のリスト。


HTTP ステータスコード

HTTP ステータスコード

理由

説明

400

INVALID_PARTICIPANT_SET_VISIBLE_PAGE_LABEL

参加者セットの 1 つまたは複数の表示ページのラベルが無効です。

400

INVALID_CC_VISIBLE_PAGE_LABEL

CC の 1 つまたは複数の表示ページのラベルが無効です。

403

DOCUMENT_VISIBILITY_DISABLED

文書表示の有効化パラメーターが false に設定されているため、いずれの参加者セットまたは CC に対してもファイル情報インデックスを指定できません。

GET /agreements/{agreementId} REST API v6 エンドポイントを使用して、参加者と文書間の関係を取得できます。

AgreementInfo

パラメーター名

タイプ

説明

documentVisibilityEnabled

ブール値

true の場合、この契約書の文書表示は有効化されています。


ParticipantSetInfo

パラメーター名

REST オブジェクト

説明

visiblePages

文字列[]

この参加者セット内の参加者に対して表示する必要がある FileInfo.label のリスト。


CcInfo

パラメーター名

REST オブジェクト

説明

visiblePages

文字列[]

この CC 内の参加者に対して表示する必要がある FileInfo.label のリスト。

GET /agreements/{agreementId} が CANCELLED ステータスをレポートしている場合は、1 つ以上の無効な文書表示パラメーター値に起因している可能性があります。

GET /agreements/{agreementId}/events を使用して、失敗の理由を取得します。

エラーメッセージ

条件

fileInfoIndex <FileInfo index> が、<participant email> を含む participantSets のいずれかで欠落しています

<label> を参加者 <participant email> の visiblePages として指定する必要があります

上記の失敗は、AUTO_CANCELLED_CONVERSION_PROBLEM の Event.type 値および Event.comment とともに、ログに記録されます。

知っておくべきこと

文書の表示制限とデジタル署名証明書には互換性がありません。

LDV が有効な場合、デジタル署名オブジェクトはアプリケーション内のオーサリング環境から削除されます。

LDV ルールが有効な状態でデジタル署名フィールド付きの契約書が送信された場合は、エラーがトリガーされます。

デジタル署名フィールド <field name> は、文書の表示制限のためにサポートされていません。

ユーザー ID が添付ファイルフィールドを含むファイルを表示できる場合は、添付ファイルのコンテンツを表示するための権限も持っています。

受信者の置換は、1 つの例外を除き、通常どおりに動作します。

  • 契約書の送信者は、署名以外の役割でリストされた受信者であり、「アカウント内の署名者と CC にはすべてのファイルが表示される」が無効な場合、自身を置換することはできません。

アカウント内の署名者と CC にはすべてのファイルが表示される」が有効な場合:

  • 内部受信者は、別の内部ユーザーにのみ委任することができます。
  • 外部受信者が内部ユーザーに委任することはできません。
    • 委任を試みると、次のエラーがスローされます:「アカウント管理者はこの個人への委任を許可していません。」

契約書が参加者によって表示されていないかぎり、ファイルとフィールドは編集できます(契約書の変更機能を使用)。

LDV は役割に依存しません。 

署名以外の役割の受信者がいる場合、受信者にアクセス権を持たせる予定の各ファイルに、その受信者のフィールドを 1 つ以上配置する必要があります。

受信者が表示可能なファイルがない場合は(フィールドが配置されていないために)、エラーがトリガーされます。

参加者 <email> (<participant role>) には表示可能な文書がありません。

一括送信は、他の契約書の場合と同様に動作します。 

契約書を送信する場合、署名の役割を持つ受信者ごとに 1 つ以上の必須の(オプションや条件付きではなく)署名フィールドが必要です。

1 人以上の署名者に対して必須の署名フィールドがない場合は、契約書の最後にページが追加され、署名者の署名ブロックが追加されます(すべての署名者にその最終ページが表示されます)。

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