Adobe FrameMaker のアクセシビリティ

概要

アクセシビリティとは、視覚、聴覚、運動、その他の障害を持つ方も製品を使用できるようにすることです。  

ソフトウェア製品のアクセシビリティ機能には、スクリーンリーダーのサポート、グラフィックの代替テキスト、キーボードショートカット、表示色のハイコントラストへの変更などがあります。  

アクセシビリティの現在のサポートについては、Adobe FrameMaker アクセシビリティ適合性レポート(ACR)を参照してください。

ACR では、第 508 条EN 301 549WCAG 2.0 および WCAG 2.1 に基づいて、FrameMaker のアクセシビリティ適合性について説明しています。

これは、レスポンシブなテクニカルコンテンツやヘルプコンテンツをオーサリングする際の参照として使用することができます。また、コンテンツを PDF および HTML5 ファイルとして公開する際に使用することもできます。

視聴覚障害、可動性障害またはその他の障害を持つユーザー向けに、第 508 条規格準拠のヘルプコンテンツを作成することができます。また、障害のある人が Adobe FrameMaker で作成されたプロジェクトを見る際の妨げになるものを、設計段階で取り除くことも可能です。

これらのソリューションは、政府機関が第 508 条規格準拠によりユーザーのニーズを満たすことをサポートします。また、アクセシビリティの改善を公約する企業もサポートします。

世界のアクセシビリティ基準

米国、オーストラリア、カナダ、日本および EU の国々を含む多くの国では、World Wide Web Consortium(W3C)によるアクセシビリティ規格を採用しています。W3C の Web コンテンツアクセシビリティガイドラインは、web コンテンツをアクセシブルにするために、設計者が実施するべきアクションの優先順位を示しています。Web アクセシビリティ構想について詳しくは、W3C の web サイト(www.w3.org/WAI)を参照してください。  

米国では、アクセシビリティを規制する法律として、米国リハビリテーション法第 508 条が一般に知られています。第 508 条は、障害のある人が利用できない電子情報技術の購入、開発、保守管理、または使用を連邦政府機関が行うことを禁じています。規格準拠の執行に加えて、第 508 条は公的機関や政府機関で働く障害者が、連邦裁判所に対して不服を申し立てる権利を認めています。  

第 508 条規格準拠とは?

1973 年に定められたリハビリテーション法の一部である第 508 条では、連邦政府機関が開発、保守管理、購入または使用する電子情報技術が障害のある人でも利用できるものであることを義務づけています。第 508 条の最新版(1998)では、この規格が政府機関全体に義務付けられました。 

アクセシビリティとは?

一般的に、単一の感覚や能力に依存せずに多様な方法で利用できるようにすれば、障害がある人も情報技術のシステムにアクセスできます。例えば、ユーザーはマウスだけでなくキーボードを使用しても移動できます。また、ユーザーインターフェイスの視聴覚面では、目や耳が不自由なユーザーに対応する必要があります。 

このほかにエンドユーザーが必要な支援ソフトウェアは?

スクリーンリーダーまたはスピーチテキストユーティリティ(アクティブウィンドウのコンテンツ、メニューオプションまたは入力したテキストを読み上げる)や、スクリーンレビューエイドでは、画面上のテキストを音声出力したり、リフレッシュ機能のある点字で表示したりします。この支援技術により、キーボード支援またはショートカット、音声のキャプション、およびフラッシングツールバーなどのビジュアルな忠告を提供できます。Window-Eyes および JAWS などのツールを利用できます。 

Adobe FrameMaker アクセシビリティ web ページ

アクセシブルな Adobe FrameMaker コンテンツの作成や表示方法に関する最新情報は、アドビの web サイトのAdobe FrameMaker のアクセシビリティ概要ページをご覧ください。

FrameMaker のアクセシブルなコンテンツの理解

アクセシブルなコンテンツを作成する場合、コンテンツが W3C および関連するその他の規制ガイドライン(第 508 条など)に準拠している必要があります。これらのガイドラインは、アクセシブルなコンテンツの作成にあたり、作成者を支援することを目的としています。

コンテンツ作成者は、コンテンツに画像や表を取り込む場合、支援技術を使用するユーザーが関連情報にアクセスできるように、テキストの説明を含める必要があります。

アクセシブルなコンテンツを作成する場合、すべての画像と画像マップに代替テキストと説明を提供する必要があります。

PDF 出力では、オーサリングされたコンテンツにはテキストの画像が含まれていません。

FrameMaker での代替テキストの使用

代替テキストは、グラフィックや標準テキストとは異なります。代替テキストは、通常、スクリーンリーダーでの音声による画像説明などに使用されます。スクリーンリーダーは、文書内にグラフィックがある箇所で、その代替テキストを読み上げます。 

非構造化および構造化文書のいずれでも代替テキストを定義できます。

非構造化 FrameMaker

FrameMaker の画像に代替テキストを割り当てる方法

代替テキストを定義するために、アンカー枠にオブジェクト属性情報を含めることができます。

  1. 枠を選択し、挿入/アンカー枠をクリックします。アンカー枠ダイアログが表示されます。

  2. 「オブジェクト属性」をクリックします。

  3. テキスト属性セクションで、代替テキストを入力し「設定」をクリックします。

    テキスト属性の追加
    テキスト属性の追加

    注意:

    表内の画像に代替テキストを追加するには、表内にアンカー枠を追加します。

    FrameMaker の画像マップに代替テキストを割り当てる方法

    web ページ上の画像マップは、リンクとして定義した領域が含まれるグラフィックです。ホットスポットを使用して、画像マップを作成することができます。 Adobe FrameMaker でホットスポットとは、文書の別の領域、別の文書または URL にリンクできる文書内のアクティブ領域を表します。 

    ツールヒントのテキストを定義するには、次の手順を実行します。

    グラフィックを選択して、グラフィック/ホットスポット/ホットスポットのプロパティを選択します。ホットスポットダイアログが表示されます。

    ツールヒントのテキストセクションで、ツールヒントを指定します。ツールヒントの最大の長さは 1023 バイトです。 1023 バイトには、1023 個の半角文字または 511 個の全角文字を含めることができます。

    「保存」をクリックします。

    ホットスポットのプロパティの編集
    ホットスポットのプロパティの編集

構造化 FrameMaker

<alt>  要素と @alt 属性

FrameMaker は、構造化文書をオーサリングするための標準として XML を使用しています。 構造化オーサリングでは、<alt> 要素または @alt 属性を使用して画像の代替テキストを設定できます。XML ビューで <alt> 要素を設定するか、
WYSIWYG ビューで @alt 属性を設定できます。

<alt> 要素を使用することで、画像が表示されない場合の代替テキストを設定できます。これは、<image> 要素の @alt 属性と同じです。@alt 属性と比較することで、XML エディターで <alt> 要素を簡単に編集または翻訳できます。

 

例:<image> 要素の @alt 属性

<image href=”print-icon.jpg” alt =”Generate the output!” > 
</image>

例:<alt> 要素

<image href=”print-icon.jpg”> 
  <alt> 出力を生成 </alt> 
</image>

<desc>

<desc> 要素は、現在の要素の説明を含んでいます。

<fig>
    <title> 握手 </title> 
    <desc> この画像は、正式なビジネスで行われるような両手を合わせる握手を示しています。 </desc> 
    <image href=”handshake.jpg”> 
         <alt> 握手 </alt> 
    </image> 
</fig>
注意:

また、<desc> 要素を使用して、表に説明を追加することもできます。

PDF でのアクセシブルな文書の書き出し

タグ付き PDF には、以下の機能があります:

  • ページ上の情報が正しい順序で読まれるように指定できます。 

  • 文書の内容を、様々なフォームファクターを持つデバイスに正確にリフローするために使用する段落属性を含めることができます。  

  • テキストを、確実に Unicode に変換することができます。Unicode では、合字やハイフンも認識されます。そのため、Windows 用のスクリーンリーダーですべての文字と単語が正確に読み上げられます。 

  • アンカー枠内のグラフィックにある代替テキストの説明が認識されます。 

  • Adobe Acrobat を使用し、より高い精度で文書をリッチテキスト形式(RTF)および XML 形式で書き出して、他の文書で再利用することができます。 

タグ付き Adobe PDF ファイルには、ページ、記事、段落、表およびアンカー枠内のグラフィックなどの作成者コンテンツが含まれます。 

詳しくは、FrameMaker のしおりとタグを参照してください。

ベストプラクティス

  • 文書には、文書内のグラフィックオブジェクトに関する説明が含まれている必要があります。 スクリーンリーダーは、文書内にグラフィックがある箇所では、その代替テキストを読み上げます。一貫した論理的なテキストを使用するようにします。

  • ディスプレイおよびスクリーンリーダーに正確な文字を伝えることができるフォントを使用していることを確認します。 

  • 公開される文書には、目次や見出しなど、ナビゲーションや構造の理解に役立つ機能を追加する必要があります。これにより、ユーザーは簡単に文書内を移動できるようになっています。

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