PDF フォームフィールドのプロパティ

このページでは、Acrobat での PDF フォームフィールドのプロパティについて説明します。(フォームフィールドのプロパティについて詳しくは、上記の該当するリンクをクリックしてください)。

 

フォームフィールドのプロパティについて

フォームフィールドの動作は、各フィールドのプロパティダイアログボックスの設定によって決まります。書式の適用、フォームフィールド情報と他のフォームフィールドとの関係の決定、フォームフィールドへのユーザー入力の制限、カスタムスクリプトのトリガーなどを行うプロパティを設定できます。

Acrobat フォームフィールドの種類に応じて、様々なプロパティをフォームフィールドに設定できます。フォームフィールドの種類ごとに、一連のタブでプロパティを選択します。プロパティを変更すると、別のプロパティを選択するか、Enter キーを押したときに、その変更が適用されます。

すべての種類のフォームフィールドに、「一般」タブと「アクション」タブがあります。他のタブは、特定の種類のフォームフィールドでのみ表示されます。「オプション」タブはほとんどの種類のフォームフィールドで表示されますが、利用可能なオプションはフォームフィールドの種類ごとに異なります。

「ロック」オプションと「閉じる」ボタンは、どのタブにも共通して表示されます。どれか 1 つのタブで「ロック」オプションにチェックマークを付けて選択すると、すべてのタブの「ロック」オプションが同じように選択されます。「ロック」と「閉じる」の説明は以下のとおりです。

ロック

このオプションを選択すると、どのフォームフィールドプロパティもそれ以上変更できなくなります。

閉じる

フォームフィールドのプロパティダイアログボックスを閉じます。複数のフィールドのプロパティを変更する場合は、プロパティダイアログボックスを開いたままにすることができます。各フィールドをクリックして、そのプロパティを変更します。

注意:

いずれかのタブで「ロック」を選択すると、そのタブのオプションだけでなく、そのフィールドのすべてのオプションがロックされます。

フォームフィールドのプロパティの変更

編集モードで作業を行っている場合にのみ、フォームフィールドのプロパティにアクセスできます。一度に複数のフォームフィールドのプロパティを変更できます。

  1. フォーム編集モードで作業をしていない場合は、ツールフォームを準備を選択します。

  2. 次のいずれかの方法でプロパティダイアログボックスを開きます。
    • 1 つのフォームフィールドを編集するには、フォームフィールドをダブルクリックするか、右クリックして「プロパティ」を選択します。

    • 複数のフォームフィールドを編集するには、編集するフィールドをすべて選択し、選択したフィールドのいずれかを右クリックして「プロパティ」を選択します。

  3. 必要に応じて、使用可能な各タブでプロパティを変更します。

    プロパティの変更は、別のプロパティを選択するか Enter キーを押すと確定されます。

  4. 閉じるをクリックします。

プロパティ値が異なる複数のフォームフィールドを選択した場合は、プロパティダイアログボックスの一部のオプションが無効になります。それ以外の場合、利用可能なオプションに加えた変更は、選択されているすべてのフォームフィールドに適用されます。

注意:

フォームフィールドが誤って変更されないようにするには、プロパティダイアログボックスを閉じる前に、ダイアログボックスの左下にある「ロック」を選択します。ロックを解除するには、このオプションをもう一度クリックします。

フォームフィールドのプロパティの「一般」タブ

「一般」タブはすべての種類のフォームフィールドで表示されます。このタブには次のオプションがあります。

名前

選択したフォームフィールドの固有の名前を指定します。

ツールヒント

ユーザーがフォームフィールドへの入力を躊躇しているときに役立つテキストを表示します。ポインターをフォームフィールドの上に置いておくと、ツールヒントが表示されます。

フォームフィールド

フォームフィールドを画面に表示または印刷するかどうかを指定します。選択肢は、「表示」、「非表示」(Windows)または「隠す」(Mac OS)、「表示 / 印刷しない」(Windows)または「表示 / プリントしない」(Mac OS)、および「非表示 / 印刷する」(Windows)または「隠す / プリントする」(Mac OS)です。

向き

フォームフィールドを 0°、90°、180°または 270°回転します。

読み取り専用

フォームフィールドの内容をユーザーが変更できなくなります。

必須

選択したフォームフィールドへの入力をユーザーに強制します。ユーザーが必須フィールドを空白にしたままフォームを送信しようとすると、エラーメッセージが表示され、空白の必須フォームフィールドがハイライト表示されます。

フォームフィールドのプロパティの「表示方法」タブ

表示方法のプロパティにより、ページ上のフォームフィールドの表示方法が決まります。「表示方法」タブは、バーコードを除くすべての種類のフォームフィールドで表示されます。このタブには次のオプションがあります。

境界線の色

フィールドの周囲のフレームのカラーを選択するためのカラーピッカーを開きます。フィールドにフレームを付けない場合は、「カラーなし」を選択します。

線の太さ

フォームフィールドの周囲のフレームの幅を「細」、「標準」または「太」で指定します。

塗りつぶしの色

フィールドの背景のカラーを選択するためのカラーピッカーを開きます。フィールドの背景を無色のままにする場合は、「カラーなし」を選択します。

注意:「カラーなし」以外の項目を「塗りつぶしの色」として選択すると、フォームフィールドの背後の PDF ページ上の画像はブロックされます。

スタイル

フレームの外観を変更します。「実線」、「破線」、「ベベル」、「切り込み」または「下線」を選択します。

フォントサイズ

ユーザーが入力するテキストのサイズ、またはラジオボタンおよびチェックボックスの選択マークのサイズを設定します。「自動」を選択するか、様々なサイズから選択するか、選択肢にない値を入力します。テキストフィールドに対して「自動」を選択すると、入力内容がテキストボックス内に収まるようにテキストのフォントサイズが変わります。

テキストの色

テキストまたは選択マークのカラーを選択するためのカラーピッカーを開きます。

フォント

コンピューターで利用可能なフォントが一覧表示されます。このオプションは、テキストを表示しないフォームフィールドでは使用できません。

注意:

環境設定ダイアログボックスの言語パネルの「右から左に表記される言語のオプションを有効にする」の設定は、プロパティダイアログボックスの「表示方法」タブの表示内容に影響します。「右から左に表記される言語のオプションを有効にする」が選択されている場合、「表示方法」タブには、テキストフィールド、ドロップダウン、リストボックスの数字スタイルとテキスト方向を変更するためのオプションが表示されます。

フォームフィールドのプロパティの「配置」タブ

位置」タブでは、現在選択されているフィールドを最大 1/10,000 インチの精度で配置またはサイズ設定できます。フィールドをページ上の指定する場所に移動できます。「高さ」および「」オプションは、フィールドのサイズのみを変更するために使用します。サイズを変更せずにフィールドを移動するには、「位置を変更する場合は、高さと幅を変更しない」を選択します。

最大 1/10,000 インチのフォームフィールド精度

フォームフィールドのプロパティの「オプション」タブ

このタブに表示されるオプションは、選択したフォームフィールドの種類によって変わります。「オプション」タブは、デジタル署名フィールド以外のすべてのフォームフィールドで表示されます。

バーコード

バーコードフィールドのプロパティの「オプション」タブには、次のオプションがあります。

コード

「PDF417」、「QR コード」、「データマトリクス」などのバーコードの種類が表示されます。

注意:組織でフォームの処理に複数の方法を使用している場合は、最も品質の低いバーコード画像に対応する方法を選択します。例えば、フォームがファックスや郵便で返される場合、すべてのフォームで高い読み取り率を確保するためにデコード条件として「ファックスサーバー」を選択します。

バーコードをエンコードする前にデータを圧縮

データを圧縮してからエンコードするように指定します。データは、Flate 圧縮方式を使用して圧縮されます。圧縮されたデータは、通常、バーコード内の格納スペースが少なくて済むため、より多くのデータを格納できます。一般に、Acrobat バーコードフォームデコーダを使用して、返されたデータを解釈する場合に、このオプションを選択します。ほとんどのハンドヘルドバーコードスキャナーは圧縮データをデコードできないので、ハンドヘルドバーコードスキャナーを使用する場合は、このオプションを選択しないでください。

スキャンの方法

プリセットのスキャンの方法は、ベースとして推奨される設定であり、「カスタム」ボタンをクリックして調整することができます。

カスタム

特定のスキャナーおよびファックスのハードウェアに最適なカスタム処理パラメーターを選択するためのダイアログボックスを開きます。使用できるオプションはバーコードの種類によって異なります。

X 次元

ミル単位のセルの幅(1 ミル = 0.001 インチまたは 0.0254 mm)。

Y/X 比

セルの高さと幅の比率。例えば、データセルの高さを幅の 2 倍にする場合は、「2」と入力します。PDF417 バーコードでのみ使用できます。

注意:ハンドヘルドレーザースキャナーを使用してバーコードをデコードすることを計画している場合は、バーコードの幅が 4 インチ(10.2 cm)を超えないようにしてください。一般に、ハンドヘルドスキャナーでは、高さが高くて幅が狭いバーコードの方が適しています。別売りの Adobe バーコードデコーダを使用する場合は、バーコードの高さと幅は問題にはなりません。

エラー修正レベル

潜在的なデコードエラーを修正するためにバーコードに付加されるデータ冗長性のレベルに対応しています。レベルが高いほど冗長性が高くなり、より良好なデコード結果が得られる堅牢なバーコードになります。ただし、レベルが高いほど、より大きなバーコードが必要となり、バーコード内にエンコードできるユーザー入力データやフォーム構造データが少なくなります。堅牢なバーコードを使用すると、ペン跡、低印刷品質、ファックス送信による劣化、または文書の折り目によって生じる問題を減らすことができます。このオプションは、PDF417 バーコードおよび QR コードバーコードで使用できます。

バーコードパラメーターの管理

一連のカスタムバーコードをファイルに保存することが可能になります。そのファイルを書き出し、組織内の他のフォーム作成者が利用できるようにすることができます。

チェックボックス

チェックボックススタイル

ユーザーがチェックボックスを選択した場合にチェックボックスの内側に表示されるマークの形状を指定します。「チェックマーク」(デフォルト)、「円形」、「十字形」、「ひし形」、「四角形」、または「星形」のいずれかを選択します。このプロパティは、チェックボックス自体の形状は変更しません。

注意:チェックボックス内に表示されるマークのサイズは、「表示方法」タブで指定したフォントサイズによって決まります。

書き出し値

データを書き出す場合に項目を表す値を指定します。空白のままにした場合は、「一般」タブの「名前」のエントリが書き出し値として使用されます。

チェックボックスをデフォルトでチェックする

ユーザーが選択を解除しない限り、選択された状態でチェックボックスを表示します。

ドロップダウンボックスおよびリストボックスでは、「オプション」タブを使用して、ユーザーが選択する項目の一覧を作成します。

「オプション」タブのほとんどのプロパティはコンボボックスとリストボックスの両方のフォームフィールドで共通ですが、どちらか一方だけにあるオプションもいくつかあります。

項目

ここに入力した項目が、フィールドのポップアップメニューに表示される選択肢になります。

追加

「項目」に入力された内容を「項目一覧」に移動します。

書き出し値

データを書き出す場合に項目を表す値をここで入力します。空白のままにした場合は、「一般」タブの「名前」のエントリが書き出し値として使用されます。

項目一覧

一覧で選択可能な選択肢が表示されます。

注意:「項目一覧」ボックスでハイライト表示されている項目が、ドロップダウンボックスまたはリストボックスフィールドではデフォルトの選択済み項目として表示されます。デフォルトの項目を変更するには、一覧から別の項目をハイライト表示します。

上へ、下へ

ドロップダウンの一覧に表示される項目の順序を変更します。「項目の並べ替え」が選択されている場合、これらのボタンは使用できません。

削除

選択した項目を一覧から削除します。

項目の並べ替え

一覧表示する項目を数字順および文字コード順に配置します。数字から始まる項目が文字で始まる項目より優先されます。

カスタムテキストの入力を許可

(ドロップダウンのみ)ユーザーが一覧にない値を入力できるようにします。

スペルチェック

(ドロップダウンのみ)ユーザーが入力したテキストをスペルチェックします。このオプションは、「カスタムテキストの入力を許可」が選択されている場合にのみ適用できます。

複数選択

(リストボックスのみ)ユーザーが一覧で複数の項目を選択できるようにします。

選択した値をすぐに確定

ユーザーが値を選択すると同時に値を保存します。このオプションを選択しない場合、ユーザーが Tab キーで現在のフィールドから移動するか、他のフォームフィールドをクリックした時点で値が確定されます。リストボックスについてのみ、「複数選択」が選択されている場合は、このオプションは使用できません。

ラジオボタン

複数のオプションの中から 1 つのオプションだけを選択できるようにするには、ラジオボタンのグループを作成します。グループ内のすべてのラジオボタンは、同じ名前を持ちますが、それぞれのボタンの値は異なります。

ボタンスタイル

ユーザーがボタンを選択した場合にボタンの内側に表示されるマークの形状を指定します。「チェックマーク」、「円形」(デフォルト)、「十字形」、「ひし形」、「四角形」、または「星形」のいずれかを選択します。このプロパティは、ラジオボタン自体の形状は変更しません。

ラジオボタンの選択内容

ラジオボタンを識別し、「名前」の値が同じ他のラジオボタンと区別します。

ボタンをデフォルトでチェックする

ユーザーが最初にフォームを開いたときのボタンの選択状態を設定します。

同じ名前と選択内容のボタンを同時に選択

複数の関連するラジオボタンをシングルクリックで選択できるようにします。例えば、フィールド名および選択した内容が同じであるラジオボタンが他にもある場合、一方をクリックすると両方のラジオボタンが同時に選択されます。

テキストフィールド

ユーザーの入力を受け付けるテキストフィールドです。文字、数字、またはその両方の入力が可能です。

整列

フィールド内のテキストを左、右、または中央に揃えます。

デフォルト

ユーザーの入力によって上書きされるまでフィールド内に表示するテキストを指定します。このオプションでデフォルト値を入力します。

複数行

テキストフィールドに複数の行を入力できるようにします。

長いテキストをスクロール

テキストフィールドの境界を超えた長さのテキストに対応できるようにします。

リッチテキストフォーマットを許可

ユーザーがボールドやイタリックなどのスタイル情報をテキストに適用できるようにします。このオプションは、論文のようにスタイル情報が重要な意味を持つテキストフィールドの場合に便利です。

最大文字数

指定した文字数まで入力できるようにします。

注意:

「デフォルト」に入力したテキストが最大文字数を超えた場合、超過分の文字は切り捨てられます。

パスワード

ユーザーが入力したテキストを一連のアスタリスク(*)として表示します。このオプションは、「スペルチェック」が選択されていない場合にのみ使用できます。

ファイルの選択に使用する

フォームと共にファイルを送信する場合、ユーザーがフィールドの値としてファイルパスを入力できるようにします。このオプションは、「オプション」タブで「長いテキストをスクロール」だけが選択されている場合にのみ使用できます。

スペルチェック

ユーザーが入力したテキストをスペルチェックします。

マス目で区切る

ユーザーが入力したテキストをテキストフィールドの幅全体に均等に配置します。「表示方法」タブで境界線の色が指定されている場合、フィールドに入力された各文字はその色の線で区切られます。このオプションは、他のチェックボックスが選択されていない場合にのみ使用できます。

Acrobat のテキストフィールド
テキストフィールドのマス目で区切るプロパティを設定した場合と設定しない場合

A. マス目で区切るプロパティを使用した、境界線の色付きの 4 つのテキストフィールド B. マス目で区切るプロパティを指定していないテキストフィールド 

フォームフィールドのプロパティの「アクション」タブ

アクションのプロパティは、指定ページへの移動やメディアクリップの再生など、フォームフィールドに割り当てる任意の動作を指定します。「アクション」タブはすべての種類のフォームフィールドで表示されます。このタブには次のオプションがあります。

トリガーを選択

アクションを開始するユーザー操作を指定します。「マウスボタンを放す」、「マウスボタンを押す」、「ポインターを範囲内に入れる」、「ポインターを範囲外に出す」、「フォーカスを合わせる」、または「フォーカスをはずす」のいずれかを選択します。

アクションを選択

ユーザーがアクションをトリガーした場合に発生するイベントを指定します。「メニュー項目を実行」、「3D ビューまたはマルチメディアビューへ移動」、「ページビュー移動」、「フォームデータを取り込む」、「マルチメディア操作(Acrobat 9 以降)」、「ファイルを開く」、「Web リンクを開く」、「サウンドを再生」、「メディアを再生(Acrobat 5 互換)」、「メディアを再生(Acrobat 6 以降互換)」、「アーティクルを読む」、「フォームをリセット」、「JavaScript を実行」、「レイヤーの表示 / 非表示を設定」、「フィールドを表示 / 非表示」(Windows)または「フィールドを表示 / 隠す」(Mac OS)、および「フォームを送信」から選択します。

追加

選択したアクションのウィンドウが開きます。

アクション

定義したトリガーおよびアクションの一覧を表示します。

上へ、下へ

トリガーの下に表示される一覧での選択したアクションの表示順序を変更します。同じトリガーに複数のアクションを定義した場合にのみ使用できます。

編集

選択したアクションに固有のオプションのダイアログボックスを開きます。

削除

選択したアクションまたはトリガーとアクションのペアを削除します。

フォームフィールドのプロパティの「計算」タブ

「計算」タブは、テキストフィールドおよびドロップダウンボックスのプロパティダイアログボックスにのみ表示されます。これらのオプションを使用すると、既存のフォームフィールドに入力された値を計算し、その結果を表示することができます。

計算しない

ユーザーに入力させる場合にこれを選択します。

次のフィールドの

このオプションを選択すると、さらに次のオプションを使用できるようになります。

ポップアップメニュー

選択したフィールドに適用する数学関数が表示されます。「和(+)」(選択したフィールドに入力された値を加算)、「積(x)」(入力された値を乗算)、「平均」、「最小」、または「最大」を選択します。

選択

フォームで利用可能なフィールドの一覧を表示するダイアログボックスを開きます。ここでフィールドを選択すると計算に追加され、フィールドの選択を解除すると計算から削除されます。

簡略化したフィールド表記

フィールド名と単純な算術記号を含む JavaScript を使用します。「編集」ボタンをクリックすると、スクリプトを記述、編集および追加できるダイアログボックスが表示されます。

注意:

フィールド名は大文字小文字の区別がありません。

カスタムの演算スクリプト

計算のために追加したカスタムスクリプトが表示されます。「編集」ボタンをクリックすると、新しい JavaScript を記述して追加できるダイアログボックスが表示されます。

フォームフィールドの計算順序の設定

フォームで複数の計算を定義すると、デフォルトでは、定義されている順序どおりに計算が行われます。このため、場合によっては、正しい結果を得るためにフィールドの計算順序の設定を変更する必要があります。

例えば、2 つのフィールドの計算結果を使用して 3 番目のフィールドの値を計算したい場合は、最初の 2 つのフィールドを先に計算しなければ正しい結果は得られません。

  1. 右側のパネルで、その他フィールドの計算順序の設定を選択します。

    フィールドの計算ダイアログボックスに、すべての計算可能なフォームフィールドと実行される計算順序が表示されます。

  2. フィールドの計算順序を変更するには、一覧にあるフィールドを選択し、必要に応じて「上へ」または「下へ」ボタンをクリックします。

Acrobat でフォームフィールドの作成やテストをしているときは、指定されたすべてのフィールドの自動計算が行われます。作業中は、作業しやすいようにフォームの環境設定で自動計算をオフにすることができます。

フォームフィールドのプロパティの「署名」タブ

署名」タブは、デジタル署名のプロパティダイアログボックスでのみ使用できます。ユーザーがデジタル署名をフォームに適用した場合の動作をここで選択します。

署名時に何も実行しない

デフォルトではこれが選択されます。

読み取り専用に指定

ポップアップメニューの選択に従って、デジタル署名されたフォームをそれ以上変更できないようにします。

すべてのフィールド

すべてのフィールドが変更できなくなります。

選択したフィールド以外

選択したフォームフィールドだけが変更可能になります。「選択」ボタンをクリックし、署名後もユーザーが編集できるようにするフォームフィールドを選択して、それらのフィールドのチェックボックスを選択します。

選択したフィールドのみ

選択したフォームフィールドだけが変更できなくなります。

署名フィールドに署名後に実行するスクリプト

ユーザーがフォームにデジタル署名した場合にカスタム JavaScript を実行します。「編集」ボタンを使用して、JavaScript のアクションを変更したり、新しい JavaScript のアクションを作成したりします。

フォームフィールドのプロパティの「フォーマット」タブ

テキストフォームフィールドまたはドロップダウンフォームフィールドについてのみ、プロパティダイアログボックスに「フォーマット」タブが表示されます。利用可能なオプションは、フォーマット分類を選択ポップアップメニューでの選択によって異なります。

現在の形式」フィールドの例には、設定のライブプレビューが表示されます。

なし

他に利用可能なオプションはありません。このプロパティが設定されたテキストボックスまたはドロップダウンボックスでの入力には、特別な書式設定は必要ありません。

数値

数値のデータ入力に対して、選択された書式設定オプションを自動的に適用します。

小数点以下の桁数

小数点の右側に表示される桁数を設定します。

桁区切りのスタイル

コンマやピリオドの配置を設定します。

通貨記号

ユーロ、ドル、円などの通貨の種類を設定します。

記号の位置

数値に対する記号の位置を設定します。通貨記号が選択されている場合、このフィールドは有効になります。

負数の表記方法

負数の表示方法を設定します。「括弧を表示」または「テキストを赤で表示」、あるいはその両方を選択するか、いずれも選択しないことができます。

パーセント

パーセントで示される数値データに対して、選択された書式設定オプションを自動的に適用します。

小数点以下の桁数

小数点の右側に表示される桁数を設定します。

桁区切りのスタイル

コンマやピリオドの配置を設定します。

日付

一覧には、1 桁、2 桁、4 桁の様々な形式が含まれます。d は日を表し、m は月を表し、y は年を表します。

時刻

一覧には、様々な表示形式が含まれます。h は 12 時間時計の時を表し、H は 24 時間時計の時を表し、MM は分を表し、ss は秒を表し、tt は AM または PM を表します。

特殊

ZIP コード

米国の 5 桁の郵便番号です。

ZIP コード + 4

米国の 9 桁の郵便番号です。

電話番号

10 桁の電話番号です。

社会保障番号

米国の 9 桁の社会保障番号です。3 桁目と 5 桁目の後には自動的にハイフンが挿入されます。

任意のマスク

フォーマット分類が「カスタム」に変更され、カスタムフォーマットを入力できる新しいテキストフィールドが表示されます。このオプションを使用すると、指定の位置に入力できる文字の種類や、フィールドでのデータの表示方法を指定できます。

A

英字(A ~ Z、a ~ z)のみ入力できます。

X

スペースおよび印刷可能なほとんどの文字を入力できます。これには、標準的なキーボード上のすべての文字と、32 ~ 126 および 128 ~ 255 の範囲の ANSI 文字が含まれます。

O

英数字(A ~ Z、a ~ z、0 ~ 9)を入力できます。

9

数字のみ入力できます(0 ~ 9)。

例えば、AAA--p#999 というマスク設定では、「BOE--p#767」という入力が可能です。OOOOO@XXX というマスク設定では、「vad12@3Up」という入力が可能です。

Acrobat での「任意のマスク」への入力
「任意のマスク」への入力例

カスタム

書式やキーストロークを指定する独自の JavaScripts を記述できます。例えば、カスタムスクリプトを使用して、新しい通貨形式を定義したり、ユーザー入力を特定のキーストローク文字に制限したりできます。

書式スクリプトの記述

書式を指定するために追加したカスタムスクリプトが表示されます。「編集」ボタンをクリックすると、新しいスクリプトを記述して追加できるダイアログボックスが表示されます。

キーストロークスクリプトの記述

キーストロークを検証するために追加したカスタムスクリプトが表示されます。「編集」ボタンをクリックすると、新しいスクリプトを記述して追加できるダイアログボックスが表示されます。

JavaScript for Acrobat API Reference』(PDF 形式、英語のみ)を入手するには、Acrobat Developer Centerwww.adobe.com/go/learn_acr_javascript_jp)を参照してください。

フォームフィールドのプロパティの「検証」タブ

検証」タブは、テキストフィールドのプロパティダイアログボックスとドロップダウンボックスのプロパティダイアログボックスにのみ表示されます。検証プロパティを使用すると、指定した範囲、値、または文字だけに入力を制限し、指定したフォームフィールドに適切なデータが確実に入力されるようにすることができます。

フィールド値を検証しない

検証をオフにします。

フィールド値の範囲を指定

数字かパーセンテージで入力した値を使用して、フォームフィールドに入力可能な数値の範囲を指定します。

カスタム検証スクリプトを実行

作成または指定した JavaScript を使用して検証します。

フォームフィールドのプロパティの「値」タブ

「値」タブは、バーコードフォームフィールドの場合にのみ表示されます。

エンコード方法

次のオプションを選択します。

XML

データを標準的な XFDF 形式のバーコードにエンコードします。JavaScript スクリプトが自動的に生成されます。

タブ区切り

フィールドを、タブで区切られた値としてバーコードにエンコードします。JavaScript スクリプトが自動的に生成されます。データを個別の XFDF ファイルまたは XDP ファイルに出力するようにフォームが設定されている場合、データは、先頭行がフィールド名のタブ区切り形式になっている必要があります。バーコードに格納する必要があるデータの量が多い場合や、データをデータベースまたはスプレッドシートの表にコピーする場合も、このオプションが役に立ちます。

選択

バーコードにエンコードしてデータを取得するユーザーデータフィールドを選択するダイアログボックスを開きます。

フィールド名を含める

エンコード形式として「タブ区切り」が選択されている場合にのみ使用できます。バーコードコンテンツの先頭行をフィールド名としてエンコードします。値は、その下にエンコードされます。

カスタムの演算スクリプト

デフォルトのスクリプトを表示します。「編集」ボタンをクリックして JavaScript エディターダイアログボックスを開くと、バーコードのカスタム演算スクリプトを記述できます。

発行されたフォームへの参照

PDF フォームへのパスを表示します。発行されたフォームへの URL を入力してこれを編集できます。後で、フォームテンプレートにユーザーの入力データを結合して、入力済みフォームのデジタルバージョンを作成し直すことができます。特定のフォームテンプレートとそれに関連するバーコードデータファイルとの関係を維持することもできます。XML 値を使用してバーコードをエンコードすると、URL 参照がバーコードにエンコードされて、フォーム上のバーコードの下に表示されます。

下に参照 URL が表示されたバーコードの一例
下に参照 URL が表示されたバーコードの一例

カスタムバーコード設定の管理

バーコードパラメーターのカスタム設定セットを保存、再利用、および共有して、それを新しいバーコードフォームフィールドに適用することができます。また、カスタムパラメーターセットを定義した後に、さらに調整を加えることができます。

これらのプロセスのすべては、バーコードフォームフィールドのプロパティダイアログボックスを開くことによって開始されます。プロパティダイアログボックスを開くには、バーコードフィールドをダブルクリックします。

バーコードパラメーターセットの新規作成

  1. バーコードフィールドのプロパティダイアログボックスで、「オプション」タブをクリックし、「バーコードパラメーターの管理」をクリックします。

  2. 新しいセットのベースとして使用する既存のパラメーターセットを選択し、「新規」をクリックします。

  3. 名前」ボックスに名前を入力し、「説明」ボックスに説明を入力します。

  4. 「コード」、「X 次元」、「Y/X 比」および「エラー修正レベル」のオプションを選択し、「OK」をクリックします。

新しく定義したパラメーターセットが、バーコードパラメーターの管理ダイアログボックスに表示され、書き出しや削除を行えるようになります。新しい定義は、バーコードフィールドのプロパティダイアログボックスにある「オプション」タブのスキャンの方法メニューにも表示されます。

カスタムバーコードパラメーターセットの編集または削除

  1. バーコードフィールドのプロパティダイアログボックスで、「オプション」タブをクリックし、「バーコードパラメーターの管理」をクリックします。

  2. 一覧からカスタムパラメーターセットを選択します。
  3. 適切な処理を選択します。
    • 編集」をクリックして設定を変更し、「OK」をクリックします。

    • 削除」をクリックします。メッセージが表示されたら、「OK」をクリックして削除を確定します。

カスタムバーコードパラメーターセットの書き出しまたは読み込み

  1. バーコードフィールドのプロパティダイアログボックスで、「オプション」タブをクリックし、「バーコードパラメーターの管理」をクリックします。

  2. 適切な処理を選択します。
    • 一覧からバーコードパラメーターセットを選択し、「書き出し」をクリックします。ファイルを保存する場所とファイル名(拡張子は .bps)を選択します。

    • 読み込み」をクリックし、読み込む BPS ファイルがある場所に移動して、ファイルを選択します。

フォームフィールドのデフォルトプロパティの再定義

特定の種類のフォームフィールドについてプロパティを設定した後、それらのプロパティをその種類のデフォルトセットとして設定できます。例えば、チェックボックスを作成して、プロパティを変更した後で、そのプロパティをデフォルト値として保存することができます。デフォルト値は、フィールドの属性に関連する表示方法およびサイズにのみ適用できます。日付のような属性に関連する形式のプロパティをデフォルトとして設定することはできません。

  1. 必要に応じて、ツールフォームを準備を選択してフォーム編集モードに切り替えます。

  2. プロパティを変更したフォームフィールドを右クリックし、「現在のプロパティをデフォルトとして使用」を選択します。

注意:

デフォルトプロパティを変更しても、その種類の既存のフォームフィールドの設定は変更されません。新しいデフォルトは、新しく作成するフィールドにのみ適用されます。

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