アクションについて
しおりやリンクをクリックまたはページを表示したときの効果を指定できます。例えば、リンクやしおりを使用して、文書内の別の場所への移動、メニューのコマンドの実行を行うことができます。アクションはプロパティダイアログボックスで設定します。
しおりやリンクには、クリックしたときのアクションを指定できます。ページ、メディアクリップ、フォームフィールドなどのそれ以外の項目については、アクションを起こすトリガーを定義し、次にアクションそのものを定義する必要があります。1 つのトリガーに対し、複数のアクションを追加することもできます。
「ロック」オプションを使用すると、表示方法やオブジェクトに関連付けられたアクションを誤って変更することがないように保護することができます。
しおり、フォームフィールド、ボタン、クリップへのアクションの追加
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以下のいずれかの操作を行います。
手のひらツールを使用し、しおりを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
ツール/リッチメディア/オブジェクトを選択ツールを使用して、リンク、メディアクリップまたはフォームフィールドをダブルクリックし、「プロパティ」を選択します。
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「アクション」タブをクリックします。
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「アクションを選択」オプションから、実行するアクションの種類を選択して、「追加」をクリックします。複数のアクションを追加することもできます。アクションは、「アクション」の一覧に表示された順序で実行されます。
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(オプション)「アクション」タブでアクションを選択し、ボタンを使用してアクションの順番の変更、編集、または削除を行います。
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アクションを確定するには、「OK」をクリックします。リッチメディアツールを閉じるには、ツールバーの右端にある X アイコンをクリックします。
サムネール画像へのアクションの追加
ページ開閉時のアクション(倍率の変更など)を指定して、文書のインタラクティブ機能を拡張します。
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左側の「ページサムネール」ボタンをクリックします。
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ページに対応するサムネール画像を選択して、オプションメニュー の「ページのプロパティ」を選択します。
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「アクション」タブをクリックします。
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「トリガーを選択」オプションから、ページを開いたときに起こるアクションは「ページを開く」で設定し、ページを閉じたときに起こるアクションは「ページを閉じる」で設定します。
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「アクションを選択」オプションからアクションを選択して「追加」をクリックします。
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アクションのオプションを指定して、「OK」をクリックします。使用できるオプションは、選択したアクションによって異なります。
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他のアクションを作成するには、オプションから別のアクションを選択して、もう一度「追加」をクリックします。アクションが起こる順番を変更するには、「上へ」および「下へ」ボタンをクリックします。
注意:フルスクリーンモードに切り替わるアクションを「ページを開く」または「ページを閉じる」に割り当てた場合は、次に同じページを開いたときまたは閉じたときにフルスクリーンモードがオンになります。
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開いているダイアログボックスがある場合は、すべてのダイアログボックスを閉じます。ツールバーの右端にある X アイコンをクリックして、ツールを閉じます。
アクションの種類
リンク、しおり、ページ、メディアクリップ、フォームフィールドには、次のアクションを割り当てることができます。
メニュー項目を実行
指定したメニューコマンドを実行します。
3D ビューまたはマルチメディアビューへ移動
指定した 3D ビューに移動します。
ページビューに移動
現在の文書内または別の文書内の指定された移動先に移動します。
フォームデータを取り込む
別のファイルからフォームデータを取り込み、アクティブなフォームにそのデータを入力します。
マルチメディア操作(Acrobat 9 以降)
ファイル内のマルチメディアオブジェクトについて指定されたアクション(サウンドファイルの再生など)を実行します。マルチメディアオブジェクトに対してアクションを指定するには、あらかじめマルチメディアオブジェクトをファイルに追加しておく必要があります。
ファイルを開く
アプリケーションを起動し、ファイルを開きます。別のファイルへのリンクが含まれる PDF ファイルを配布する場合は、そのファイルを作成したアプリケーションがユーザーのシステムにインストールされている必要があります(ターゲットファイルを開くための環境設定を追加する必要があります)。
Web リンクを開く
インターネットの指定された移動先に移動します。http、ftp、mailto プロトコルを使用してリンクを定義します。
サウンドを再生
指定したサウンドファイルを再生します。クロスプラットフォーム形式で、サウンドファイルを PDF に埋め込みます。
メディアを再生(Acrobat 5 互換)
Acrobat 5 互換として作成された、指定の QuickTime または AVI ムービーを再生します。指定するムービーは、PDF 文書に埋め込まれている必要があります。
メディアを再生(Acrobat 6 以降互換)
Acrobat 6 互換として作成された、指定のムービーを再生します。指定するムービーは、PDF 文書に埋め込まれている必要があります。
アーティクルを読む
現在の文書または別の PDF 文書内のアーティクルスレッドをたどります。
フォームをリセット
以前フォームに入力したデータをクリアします。「リセットするフィールドを選択」の一覧からリセットするフィールドを選択することができます。
JavaScript を実行
指定した JavaScript を実行します。
レイヤーの表示 / 非表示を設定
どのレイヤー設定を有効にするかを指定します。このアクションを追加するには、まず適切なレイヤー設定を指定してください。
フィールドを表示 / 非表示
PDF ドキュメントでフィールドの表示と非表示を切り替えます。このオプションは、フォームフィールドで非常に役立ちます。例えば、ボタンの上をポインターが通過するときにオブジェクトをポップアップさせるには、「ポインターを範囲内に入れる」トリガーではフィールドを表示するアクションを、「ポインターを範囲外に出す」トリガーではフィールドを非表示にするアクションを設定します。
フォームを送信
指定した URL にフォームデータを送信します。
トリガーの種類
トリガーによって、メディアクリップ、ページ、フォームフィールドでアクションをアクティベートする方法を決めます。例えば、ページの開閉時に再生するムービークリップまたはサウンドクリップを指定できます。使用できるオプションは、指定したページ要素によって異なります。
メディアクリップおよびフォームフィールド(リンクやしおりではありません)には、次のトリガーを使用することができます。
マウスボタンを放す(Acrobat Pro)
マウスボタンをクリックした後に放したとき。これは、最も一般的なボタントリガーです。マウスボタンを押したままポインターをボタンの範囲から外せばアクションは有効にならないので、もう一度やり直しができます。
ページを表示(メディアクリップのみ)
現在のページであるかどうかに関係なく、メディアクリップを含むページが表示されたとき。例えば、見開きページレイアウトで表示されている場合は、表示するページと現在のページが異なる可能性があります。
ページを非表示(メディアクリップのみ)
メディアクリップを含むページを非表示にするとき。
ページを開く(メディアクリップのみ)
メディアクリップを含むページが現在のページになるとき。
ページを閉じる(メディアクリップのみ)
メディアクリップを含むページを離れたとき。
マウスボタンを押す
マウスボタンをクリックしたとき(クリックして放していない状態)。通常は、「マウスボタンを放す」を使用することをお勧めします。
ポインターを範囲内に入れる
ポインターがフィールドまたは再生領域に入ったとき。
ポインターを範囲外に出す
ポインターがフィールドまたは再生領域から出たとき。
フォーカスを合わせる(メディアクリップのみ)
マウス操作またはタブ移動によって、リンクの領域にフォーカスを合わせたとき。
フォーカスをはずす(メディアクリップのみ)
別のリンクの領域にフォーカスを移したとき。
Acrobat の JavaScript について
JavaScript 言語は、インタラクティブな Web ページの作成を容易にする手段として、Netscape Communications が開発したものです。拡張された JavaScript を使用すると、PDF 文書にこのレベルのインタラクティブ機能を簡単に統合できます。
しおり、リンク、ページに関連付けられたアクションを使用して、JavaScript コードを起動できます。「文書のアクションを設定」コマンドを使用すると、文書全体に適用される文書レベルの JavaScript アクションを作成できます。例えば、「文書を保存した」を選択すると、文書の保存後に JavaScript を実行できます。
フォームおよびアクションウィザードで JavaScript を使用するには、Acrobat Pro が必要です。
Acrobat Pro では、PDF フォームおよびアクションウィザードでも JavaScript を使用できます。フォームでは、JavaScript を使用して、データのフォーマット、計算、検証およびアクションの割り当てを行えます。フィールドレベルのスクリプトは、ボタンなどの特定のフォームフィールドに関連付けられます。この種のスクリプトは、「マウスボタンを放す」アクションなどイベントの発生時に実行されます。
JavaScript によるスクリプトの作成方法について詳しくは、アドビ システムズ社の Web サイトから JavaScript のマニュアルをダウンロードしてください。『Developing Acrobat®Applications Using JavaScript™』には、背景情報とチュートリアルが記載されており、『JavaScript™ for Acrobat®API Reference』には、詳細な参照情報が記載されています。上記をはじめとした JavaScript リソースについては、アドビ システムズ社の Web サイトを参照してください。